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巨人・中田翔、異例の退団 残り2年契約破棄、自ら自由契約 出場機会求めオプトアウトの権利行使
今季が3年契約の1年目だが、残りの契約を放棄できる権利が、契約条項に盛り込まれていた。今季は後半戦にかけてチーム事情によるコンバートの影響で代打出場が増えるなど、92試合にとどまった。プロ野球界では極めて異例といえる、自ら自由契約になることで出場機会を求め、新天地を模索する道を選んだ。
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中田翔が巨人退団の決断を下した。今季はチーム事情によって出番が減少。35歳を迎える来季、プロ野球選手として出場機会を、何よりも最優先した。昨オフに新たに結んだ3年契約を2年残して、破棄できるオプトアウトの権利を行使。メジャーでは契約に盛り込まれることも多い条項だが、NPBでは複数年契約を結びながら権利行使することは極めて異例。14日に申請期限を迎えたFAではなく、人的補償もともなわない形で、他球団への移籍を目指すことになった。
苦渋の決断だった。巨人3年目の今季は、92試合で打率2割5分5厘、15本塁打、37打点。5月に右太もも裏の肉離れで離脱するとルーキー門脇が三塁でのスタメンが増加した。4番岡本和が一塁にコンバートされたことで、中田翔が押し出されるようにスタメンが減少。21試合の代打出場はキャリア最多だった。
10月の秋季練習では「野球人生、1回きりですし、あと10年できるわけでもない。野球人生を全うして去りたい気持ちも強い。DHでも守備に就くでも、試合に出たいという気持ちが強い」と、代打ではなくレギュラーへの強いこだわりを口にしていた。パ・リーグ球団を含め選択肢を絞っていく。
日本ハム時代は不動の主砲として10年連続100試合以上に出場。今季は通算300本塁打だけでなく通算1500安打も達成し、西武中村に次ぐ現役2位の303本塁打を積み上げた。柔らかいハンドリングを武器にする守備では、一塁手では史上初となるセ・パ両リーグでゴールデン・グラブ賞を受賞した。実績を誇る主砲が、新天地でのプレーを模索する。
◆オプトアウト 長期契約の途中でも、選手が契約内容を見直すことができる条項。設定した成績を残したり、年数を経過すれば、より高い条件で契約を結び直したり、自由契約となって他球団と交渉することもできる。
◆中田翔(なかた・しょう)1989年(平元)4月22日、広島市生まれ。大阪桐蔭では1、2年夏、3年春に甲子園出場。07年高校生ドラフト1巡目で日本ハム入団。今年8月6日広島戦で平成生まれ初の通算300本塁打。打点王3度、ベストナイン5度、ゴールデングラブ賞5度。13、17年WBC、15年プレミア12で日本代表。184センチ、107キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸3億円。
日刊スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/34167ff32d63a21b178b25d566feead305ba66b6