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【Money1】 中共が20年かけて編纂した公式「清史」が政治的な審査を通過せず。
香港メディア『星島日報』が、「清の公式史書」を編纂するという事業が頓挫している――と報じているのです。
記事の一部を以下に引用してみます。
『二十四史』とは、古代中国の各王朝が記した二十四の史書の総称で、
伝説上の黄帝から始まり明の崇禎に至るまで、全ての王朝の正史として認められている。
清朝が滅亡して100年以上が経つが、『清朝史』はいまだに刊行されてはいない。
2002年、中央政府は全国清朝史編纂委員会の後援の下、清朝史を編纂することを決定した。
これは数千人の専門家や学者が参加する学術的・文化的な一大プロジェクトであり、習近平総書記の大きな関心事となっている。
2018年09月、『清史』の草案が中央政府に提出され、2019年、中央政府は新たに設立された中国社会科学院(CASS)
中国史研究所(ICHS)に草案の審査を担当させ、審査作業の指導グループを設置した。
今年06月、『CCTV』は、清史106巻、総語数3,200万語の校閲が約2年の歳月を経て完了したと報じた。
しかし、清史はまだ出版されていない。
イエール大学ロースクールの中国系アメリカ人教授、張泰蘇氏は最近、SNSで信頼できる情報筋の言葉を引用し、
「『清史』プロジェクトの完成稿が政治審査を通らなかったのは、『海外の新しい清史の影響を受けすぎた』からだ」と述べた。
(後略)
⇒参照・引用元:『星島日報』「中國觀察:未通過政審 《清史》觸礁」
https://std.stheadline.com/realtime/article/1962496/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E4%B8%AD%E5%9C%8B-%E4%B8%AD%E5%9C%8B%E8%A7%80%E5%AF%9F-%E6%9C%AA%E9%80%9A%E9%81%8E%E6%94%BF%E5%AF%A9-%E6%B8%85%E5%8F%B2-%E8%A7%B8%E7%A4%81
二十四史とは、清の乾隆帝の時に、勅命によって決定された正史の総称です。
『史記』 『漢書』 『後漢書』 『三國志』 『晉書』 『宋書』 『南齊書』 『梁書』 『陳書』 『魏書』 『北齊書』 『周書』 『隋書』
『南史』 『北史』 『舊唐書(くとうじょ)』 『新唐書』 『舊五代史(きゅうごだいし)』 『新五代史』 『宋史』 『遼史』
『金史』 『元史』 『明史』
の24種類。これが中国歴代王朝の公的な歴史書というわけです。
――で「清」がありませんね。2002年に中国で「清史」を編纂することにして、これについては習近平総書記も関心を示していた、のです。
2018年09月:『清史』の草案が中央政府に提出
2019年:草案の審査を行う指導グループを設置
2023年06月:清史106巻、総語数3,200万語の校閲が約2年を経て完了と報道
だったのですが――まだ出ません。
「張泰蘇教授によると“政治的な審査にパスしなかった”」と報じられています。
これは海外での「清朝」に対する見方の影響だというのです。
1990年代以降、アメリカ合衆国の中国学では、中国語以外の史料を重視し、
清朝の満州的要素が中国の王朝的特徴とは異なることを強調し、清朝は過去の中国を再変化させたものではないとしている。
つまり、清朝は中国とイコールではなく、中国は清帝国の一部に過ぎないとまで主張する「新清史観」の潮流が生まれている。
――これに影響を受けた「清史」になってしまい、これが政治的審査にパスしなかった原因ではないのかと推測されています。
「中国における学術検閲の現状」についての例となったかもしれません。
2023年06月、習近平総書記は文化継承の発展に関するシンポジウムを開催し、
「中国文明には傑出した統一性があり、中国各民族の文化は一つに統合されている」と強調しました。
「そうかなあ」という主張ですが、編纂された「清史」が習近平さんの主張に沿わないものだったのかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)
2023.11.13
https://money1.jp/archives/116270