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【用日】韓国経済“3重苦”で日本に「SOS」!? 文大統領、日本にすり寄り…識者警鐘「関われば『反日』招くだけ」
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が日本にすり寄る姿勢を強めている。11日からの先進7カ国首脳会議(G7サミット)に招かれるが、そこに待つのは「対中包囲網」という踏み絵だ。先月の米韓首脳会談では韓国企業が米国に4兆円規模の投資を約束したが成果は乏しかった。外交の行き詰まりに加えて国内経済も正社員の雇用が減少し、屋台骨の半導体や自動車産業も苦境に立たされていることが、日本に「SOS」を出す背景にあるようだ。
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このところ、文政権の日本への配慮が目立つ。東京五輪・パラリンピック組織委員会ホームページに島根県の竹島が表示されているとして、韓国の一部でボイコット論が出ていたが、韓国外務省報道官は8日、「政府は現在、この問題による五輪不参加までは検討していない」と述べた。
また、韓国大統領府関係者はG7に合わせて文大統領が菅義偉首相と会談するかどうかについて「現時点では日程を協議していない」と述べる一方、「日本側との対話には常に開かれた立場だ」「非公式な会談の可能性は常に開かれている」と含みを持たせた。文大統領は東京五輪に合わせた訪日を打診しているとも報じられた。
背景にあるとみられるのが外交面の苦境だ。G7では中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗策を打ち出すなど対中姿勢を鮮明にする方針で、米中二股外交を続けてきた文政権にとっては苦しい立場となる。
対米関係も厳しい。5月の米韓首脳会談では、サムスン電子やLGエナジーソリューションなど韓国の大企業が、米国の新工場建設や合弁会社設立などに計44兆ウォン(約4兆3000億円)規模を投資すると表明。米国が重視する半導体や電気自動車(EV)向けバッテリーなどのサプライチェーン(供給網)強化に協力する意向を示した。
首脳会談を終えた文大統領は、青瓦台(大統領府)で与野党代表に「韓米同盟が包括的同盟に発展した」と誇ったが、野党側からは「物足りなさと失望が大きい」と猛反発を食らった。菅首相が4月の訪米時に米ファイザーと5000万回分の追加供給を取り付けたことで、文大統領の手腕が注目されていたが、米ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチンが韓国軍55万人分に無償提供されるにとどまった。
韓国事情に詳しい朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「大企業は各社がそれぞれ投資計画を持っているにもかかわらず、政権の一声で大きな転換が生じてしまっている。そもそもコロナ禍で企業が厳しい状況であり投資するお金があれば、まずは国内にというのが大企業の本音だろう。政府主導で経済的合理性の全くない無責任な約束に、大企業は迷惑しているはずだ」と指摘した。
国内経済には黄信号が点灯している。韓国の企業評価サイトCEOスコアの発表では、新型コロナの影響によって、今年1~3月期の国内大企業500社の正社員数が、コロナ前の2019年10~12月期に比べて約1万人減少したという。一方で非正規雇用が増え、雇用の質が悪化しているとも評価している。
韓国経済の屋台骨を支える自動車産業も、半導体不足や原材料価格の急騰、人材不足の「三重苦」だ。聯合ニュースは、韓国政府が車載用半導体の供給に向け、海外メーカーに公文書を送付して協力を要請したと報じた。「SOS」の発信先には日本企業も含まれているという。
中央日報(日本語電子版)は、韓国の今年1~4月の素材・部品累積輸入額のうち日本製品が占める割合は15%で、統計を作成し始めた2001年以降最も低いと報じた。だが、素材・部品関連の対日貿易赤字は59億9600万ドル(約6500億円)で前年同期から拡大。同紙は「日本の核心素材・部品・装備製品をみると高付加価値を持ち、代替が不可能な品目が多い」という専門家の見解を紹介している。
結局日本頼みの韓国経済だが、前出の松木氏は「韓国の政治は経済を無視して暴走しており、レームダック(死に体)化が目の前の文政権に日本企業が協力するようなことはあってならない。関わりを持てば、ゆくゆくは『反日』政策のトリガーとなり、文政権の思うつぼになるだけだ」と警鐘を鳴らした。
ヤフーニュース(夕刊フジ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ef34ad2b1625dc9d6308939d370449ab6af1d69