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【コリアナイズされた私】 それでも活気がある韓国と停滞する日本、4年ぶりの一時帰国で見た残念な光景
・日本に帰国して驚いた「物価安」
ー中略ー
90年代の終わりにeチケットが登場して、旅行会社からの搭乗引換券が必要なくなった時は良い時代になったと感動した。
しかし、そのパスポートだけをカウンターに持って行けば何でもやってもらえる時代は、20年で終わってしまった。
韓国の急激な機械化は、労働力不足の解消にはいいのかもしれないが、顧客側が自分でやらなければならない。
出国審査が機械化されて無人になっていたことにもいちいち驚いて、完全にお上りさん状態だった。
日本に着いて、筆者を驚かせたのは新宿駅の工事や、下北沢駅周辺の変わりようであった。
自分がいる場所がどこなのか、もしくは、以前どこだったのか、全く分からない状態になっていた。
どこに行っても外国人ばかりが目について、自分が故郷に帰って来たのか、知らないところに来たのか分からない。
自宅の玄関のドアを開けてようやくほっとした。
日本にいる間に1日だけ、1人で出かける時間があって、少し郊外に行ったが、タクシーが全くつかまらなった。
偶然、駅のロータリーで客を降ろしているタクシーを勢いで捕まえて乗せてもらった。
運転手さんは、日本は賃金が上がらず、税金と物価だけが上がるとぼやいていた。
賃金が安すぎてタクシードライバーの「なり手」がいないのだそうだ。
それでも日本の物価は安いと思った。いや、外国と比べると異常に安すぎる。
・外国人に買い漁られる日本
韓国には文在寅政権が最低賃金を大幅に上げ続けた余波が残っており、来年には最低賃金が9860ウォン(時間額)になる。
日本円に換算すれば、1000円超だ。
ちなみに、2014年の最低賃金は5210ウォン、筆者が韓国に来たばかりの2004年はなんと2510ウォンだった。
コンビニの求人の張り紙には時給3000ウォンと書いてあったのを思い出す。
韓国は筆者が関わったこの20年間で賃金が3倍以上になったのだ。
日本で損保に勤めていた筆者が正社員をやめ、派遣に切り替えた2003年当時の時給は1700円だった。
当時、損保事務は時給が高いと言われてはいたが、この差をご覧いただきたい。
その一方、韓国はこの20年間で物価も2倍に跳ね上がった。ただ、2021年は4.3%、22年も2.6%の経済成長を実現している。
債務が膨れ上がっても、政策が失敗しても、活気はある。
短い日本滞在期間であったが、日本人の活気のなさと外国人の多さに驚いた。
インバウンドで活気づいているというよりは、買い漁られているという感じだ。1ドルが150円に限りなく近い超円安時代では仕方ないのか。
これはあくまでも、4年ぶりに日本に帰国した、コリアナイズされてしまった筆者の個人的な感想であるので、
誤解のないようにお願いしたい。排他的な他意はない。
滞在している間、新大久保のコリアンタウンで友人に会った。そこに集う日本の若者の多さに驚いて、
韓国がこんなに日本人に人気があることにも驚いた。
お店に外に張られている韓流アイドルの顔が誰なのか全く分からず、
定員さんには「韓国に住んでいるのにBTSの顔が分からないんですか?」と逆に驚かれた。
昨日は韓国のエンタメニュースを見てみたら、「とどまるところを知らない韓ドラブーム」という文言が目に入った。
筆者の知らないところで、韓国と日本の大衆文化はこんなに行き来していたのか。本当に驚くことばかりだった
。韓国語がネイティブ級にできても、この界隈に入ると全く役に立たなそうだなと、おかしくなってしまった。
帰国の目的だった実家の母は思ったより元気だった。母が韓流ドラマの元祖ともいえる「チャングムの誓い」に夢中になっていたのも、
今となっては昔の話だ。日本と韓国の関係に様々な角度から大きな変化が見えた気がした。
立花 志音
全文はソースから
JBpress 2023.11.9(木)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/77794