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根拠なき「対日優位」の幻想 「和牛より韓牛」韓国万歳の愛国記事 読んで気分爽快、自負心も
「ブロードウェーより韓国? K―ミュージカル、日本を揺るがす」(中央日報、2012年4月24日)といった記事は、その典型かもしれない。韓国人はこうした記事を読み「気分爽快」になり、自負心を高める。
だが、こうした記事の日常的繰り返しが、韓国人全体の世界に対する認識を歪めていることは否めない。
韓国の政治家が時として、根拠なき「対日優位」発言をするのは、チラリと見た愛国記事の堆積効果によるのかもしれない。
最近の「韓国万歳の愛国記事」のヒット作は《「和牛より柔らかくて美味しい」…19億人のムスリムを虜にした「韓牛」》と題する長文の記事(イーデイリー、10月7日)だ。
最後まで読めば、クアラルンプールで開いた韓国食品フェアで、韓国の自生種の牛である韓牛の精肉が好評を博し、一部の高級レストランで採用されたということにすぎない。
しかし、問題は見出しだ。
韓国人が長文読解に弱いこと(同音異義語が多いハングルが影響しているのだろう)は、国際統計でも立証されている。見出しだけ見た韓国人は、わが韓牛は和牛を退けて、イスラム世界を制覇しつつあると思い込むだろう。
和牛と韓牛は遺伝子構造が明確に違うとの解析の結果が出ている。だが、韓国人の多くは「その昔、倭人が韓牛を盗んで、品種改良したものが和牛」との説をかたく信じている。
だから、和牛が欧米の高級レストラン向けに出荷されているのに、韓牛がローカルブランドに留まっている現実は、韓国人にとっては、何とも「もどかしい」ことだ。
そうした背景があるから、イーデイリーの見出しは「ヒット作」なのだ。と言っても、22年の輸出額は、和牛500億円に対して、韓牛4億円という現実は変わらない。
韓国の愛国記事を読んでいると、日本の女性は韓国文学の虜になり、日本の高齢者は韓方(朝鮮半島の伝統医学)治療を受けようと必死になっている―そう思えてくる。
「文化的には対日優位」「優れたわが国民」といった幻想がもたらされるのだ。
日本のテレビの「ニッポンすごい」調の番組も危ないものだ。(ジャーナリスト・室谷克実)
夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/article/20231109-KO4T2K5IURPZ5B5T4Q75QRV7NA/