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心理学者「頭の良い人は陰謀論にハマりやすいのか」 学術誌に論文が掲載…「イメージで語られることが多かった」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231101-OYT1T50199/
2023/11/03 10:00
「新型コロナは利権団体によるデマ」「ワクチンにはICチップが入っている」など、新型コロナの感染拡大を機にSNSなどで広まった陰謀論。そんな陰謀論に「ハマりやすい」人の特徴をあぶりだした日本人社会心理学者の論文が学術誌「アプライド・コグニティブ・サイコロジー(応用認知心理学)」に掲載される。そこで明らかになった「陰謀論にハマりやすい」人の特徴とは……。(デジタル編集部 古和康行)
「ワクチンにICチップ」は無理筋では……
論文を執筆したのは、鹿児島大学法文学部の大薗博記准教授(42歳、社会心理学)と昭和女子大学人間社会学部の榊原良太准教授(36歳、同)だ。
「『頭が良すぎて陰謀論にハマる』のか、『社会に不満があるとハマる』のか。そういったことを検証してみました」と大薗准教授。榊原准教授とは鹿児島大学時代に同僚で、2人で研究を始めて今回の論文を共同で執筆した。
研究のきっかけは、新型コロナの流行期に「ワクチンにICチップが入っている」という 噂うわさ がSNSで流れていることに触れたとき。荒唐無稽で「かなり無理筋な話」にもかかわらず、どんどんシェアされて拡大されていく現象を心理学のアプローチで調べてみようと思い立ったのが始まりだ。
今回の研究では「一般陰謀論」と「コロナ陰謀論」について調べている。
一般陰謀論は、「秘密組織が地球外生命体とコンタクトをとっているが、その事実は大衆には伏せられている」や「政府は、市民やよく知られた有名人の殺害に関与し、そのことを秘密にしている」といったもの。コロナ陰謀論は「ウイルスは科学者たちによって作り出された生物兵器だ」「ウイルスは利権団体が金銭的利益のために考案したデマだ」といったものを質問項目に設定している。
裏テーマは「頭が良すぎて陰謀論にハマる」
調査はインターネットで参加を募った1400人を対象に2022年10月30日に行い、有効だった937人の回答を基に分析した。質問項目は100問あり、陰謀にまつわる質問のほか、「バットとボールは合わせて1100円。バットはボールより1000円高い。ではボールはいくらでしょう?」といった「熟慮(=よく考える)性」を試される質問、社会への不満を聞くものや収入や学歴まで多岐にわたる。
質問を作るに当たっては、二つの仮説を出発点にしたという。一つは「よく考えることができる人は陰謀論を信じづらい」ということ。もう一方は「社会的な不安・不満を抱えている人は陰謀論を信じやすい」ということだ。
それに加えて、2人が検証したかったのは、「頭が良いからこそ陰謀論にハマりやすい場合があるのかどうか」。大薗准教授は「オウム真理教の事件の時に高学歴の若者が集まっていたことが話題に上りました。そのときに語られていた『社会に不満を持ったインテリこそが陰謀論にハマりやすい』というイメージが科学的に証明できるか、ということも検証したかった」と明かす。その思いが「裏テーマ」となって、研究を進めたのだという。
(略)
※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。