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今年度で活動停止の東京富士大卓球部、大逆転での1部残留で有終の美 半世紀指導の西村監督も男泣き「しびれたね」 vs青山学院
https://hochi.news/articles/20231007-OHT1T51219.html
◆卓球 ◇秋季関東学生リーグ 入れ替え戦(7日、埼玉・新座市総合体育館)
来年3月末で活動を停止する女子の東京富士大が、チームとして最後の試合を終えた。1部・2部入れ替え戦に臨み、2部2位の青学大に4―3で勝利。1―3の崖っ縁からの大逆転劇で1部残留を決め、有終の美を飾った。
劇的な逆転劇に、75歳の指揮官も感情を抑えきれなかった。2台同時進行となった第6、7試合。第6試合の原田優芽(4年)の勝利を見届けると一人、隣のコートには移らず、少し離れた場所から試合を見守った。その理由を「ちょっとウルウルきてね。これがラストかなと思うと。アドバイスする時に涙流しちゃいけないんですよ」と明かした。
3勝3敗で迎えた第7試合は、上野彩香梨(2年)が青学大・庄易(4年)と対戦していた。庄は上野と同じ高校の先輩で全国高校総体3位の実績を持つ。一方で上野は全国高校総体への出場経験がない。それでも、チームの命運を託されて奮闘し、3―1で勝利をおさめた。「高校時代は補欠とエースぐらいの差があった。それであの試合をやって勝てた。その伸び率。勝利と育成というところが今日はラストでできた」と感慨深そうに振り返った。
同部を50年以上指導してきた西村監督は、04年アテネ五輪など日本代表でも多くの試合を指揮してきた。04年世界選手権団体戦(ドーハ)では中国から2点(勝)を挙げる大健闘もあったが、その試合も引き合いに「そういう大会を経験していても、今日の試合はしびれたね。五輪でも世界選手権でも、学生スポーツでも、その子なりのベストを尽くしているって姿は、やっぱり美しいですよ。こうなるとは思わなかったね。これなんだよね。だからやめられないんだよね」と、思わず目頭を熱くする“ラストマッチ”だった。
東京富士大卓球部は1963年に創部され、これまで約400人が在籍し、17人の世界選手権代表を輩出した。昨年7月に活動停止を発表。この日は50人以上のOGや関係者が集まり声援を送った。団体戦はこの試合が最後。活動停止まで残り半年、今後はそれぞれが個人の戦いを残す。主将の泉田朱音(4年)は「1日、1日、時間がたつのがすごく早いけど、西村監督に『最後はこの6人で良かった』って言っていただけるようなチームにしていきたい」と決意を込めた。