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中国でウルトラマンカードの人気が暴走、社会問題に―中国メディア
文章は、中国の小学生の間で今最も流行しているのがさまざまなウルトラマンのポーズがプリントされたトレーディングカードであり、学校周辺の売店でもショッピングモールのおもちゃ屋でもトランプほどの大きさのウルトラマントレカが最も目立つ位置に陳列されていると紹介。子どもらはレアなカードを手に入れようと、親にお金を出してもらって何度もカードを買い求めているとした。
そして、「ウルトラマントレカの購入額が1万元(約20万円)程度で一般的なマニアと見なされ、10万元(約200万円)以上になると専門家、100万元(約2000万円)を超えると『カード王』と呼ばれるようになる」というメディアの報道とともに、昨年8月には子どものために200万元(約4000万円)を費やしたにもかかわらず、それでもウルトラマントレカをコンプリートできないと嘆く保護者がニュースになり議論を呼んだと紹介。過熱気味のブームの中でうまい汁を存分に吸っているのはカードを発行・販売している業者であり、ウルトラマントレカの販売ライセンスを持つ浙江省の企業が20年には売上高30億元(約600億円)を記録して年間100%以上の増益をキープしているとし、1枚の生産コストが非常に低いことからウルトラマントレカが「紙幣の刈取機」とさえ呼ばれていると伝えた。
一方、コレクションから競争へとカード収集の動機がエスカレートする中で多くの子どもがより高いレベルのカードを入手することに熱中し、その果てには窃盗行為にまで及ぶケースさえあるほか、かねてより中国で人気のあるブラインドボックスとの融合によってギャンブル性が加わり、保護者がトレカ集めを「毒」と位置づけるようになったと指摘。保護者の怒りを感じたのか、トレカ会社が「18歳未満の客で1回の購入額が200元(約4000円)を超える場合、保護者の同意を得る必要があり、1カ月の累計購入額が1000元(約2万円)を超える場合は保護者の同席が必要」といった規定を設けるようになったものの、店舗でルールが守られていないのが実態だとした。
その上で、子どもの熱中ぶりを見かねた一部の親は、子どもが苦労して集めてきたコレクションを破る、隙を見て売るという強引かつ乱暴な手段を行使して子どもの心に大きなダメージを与えてしまっているとしたほか、子どもに配慮してルールを設け、その範囲内で楽しんでもらうよう誘導する保護者もいるものの、結局ルールを守るかどうかは子どもの意思に委ねられており、問題の根本的な解決にはなかなか至らないとした。
文章は、中国では20〜30年ほど前にも「水滸伝カード」のブームが起き、やはり人気が過熱したと紹介。当時カード集めに夢中になった子どもたちが今大人になり、わが子がウルトラマントレカブームで「同じ過ちを繰り返している」のを見ているとした。そして「今の子供どもたちが大人になった時、エスカレートする競争の中で買い漁ったウルトラマントレカを見て幸福感と後悔のどちらを強く感じるだろうか」と結んだ。(翻訳・編集/川尻)
Record China
https://www.recordchina.co.jp/b922693-s25-c30-d0193.html