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世紀の大逃げでMGC4位の川内優輝、粘れた理由は「カレーの量を100グラム増やした」
130回目、日本マラソン界で前人未到の道を走り続ける36歳、川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)が雨中の決戦で大いに躍動した。
スタート直後に先頭に立つと、悪天候をものともせずにぐんぐんと飛ばす。あっという間に後続を引き離すと、15キロまでは日本記録に近いペースをマーク。35キロ過ぎに後続の6人に追い付かれても、驚異の粘りを発揮。最後は大迫傑(NIKE)とデッドヒートを展開して、惜しくも競り負けて4位。「パリよりも何よりも大迫選手に勝ちたかった~」と声を張り上げたが、日本代表活動からの距離を置いていた身にして、パリ五輪へと死闘を繰り広げる若手ランナーをけん引。。レース後には「今日は悔いが無い。自分の力を出し切った!」といつも通りの元気良い声を響かせた。
類を見ない経験値が、グラム単位の調整を実らせた。「ここのところは600グラムにしていたカレーのごはんの量を、100グラム増やしたんです」。この日の天候から逆算して、前夜の勝負飯の量を調整したという。以前のレースでグラム単位で変化をさせて、その都度結果と照らし合わせてきた。カレー専門店「CoCo-壱番屋」での注文はビーフカレー700グラムにパリパリチキン、ソーセージ。豚しゃぶ。「今回はその100グラムですよ。ばっちり。だから35キロからも粘れた」と力強かった。
「悪天候こそ川内」。そんな周囲の声を意気に感じて、スタートの国立競技場から飛び出した。「あおられました。漫画の中の主人公だった気持ちで」と、これも前夜に読んでいた漫画「奈緒子」に自身を重ねてレースを進めた。「まさか35キロまで追い付かれないとは」と振り返りながら、後輩へはこうも苦言を呈した。「若い選手だから、多分半分くらいは勇気が無くて、私についていくのが怖かった。もう半分はなめていたんですよ、『なに、あのロートル』みたいな。どうせ落ちていくだろうって」とにやり。
「年齢は数字!」ときっぱり言い切る姿は勇ましい。「だっていま日本で4番なんですから! まだまだ頑張っていきます!」と威勢良く取材エリアを後にした。
https://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/202310150000213.html