あわせて読みたい
5戦22発の得点力以上に世界トップレベルではないか。世界的名手も感服した日本の武器「プレッシング」
10月13日、カナダの親善試合に臨んだ日本代表は、4-1で快勝を飾った。
これで破竹の5連勝となり、その間22ゴール。相手はアジアではない。エルサルバドル(6-0)はともかく、ペルー(4-1)、ドイツ(4-1)、トルコ(4-2)、そしてカナダ(4-1)は言うまでもなく簡単に4発を叩き込めるチームではない。
カナダ戦では、決定機を逃した場面も少なくなかったとはいえ、それだけチャンスを作り出しているという証左だろう。「軸になるストライカーがいない」という意見もあるが、誰が出ても、どこからでも点が取れるというのは小さくない武器だ。「決定力不足」という言葉が繰り返し使われてきた過去の代表と比べ、とてつもない成長と言える。
世界を見渡しても、5試合連続で4ゴール以上を奪える国はそうはないだろう。チームとしての得点力は明らかに世界トップレベルに近づいている。
もはや最高峰レベルにあると感じるのがプレッシングだ。この試合でも、ここぞという時は、浅野拓磨、南野拓実、伊東純也、田中碧、中村敬斗の「前5人」が果敢にプレスを掛け、カナダのビルドアップを完全に封じた。
カナダ最大のスターにして、バイエルンでプレーするDFアルフォンソ・デイビスも試合後、日本のプレスに苦しんだと認めている。
「本当にプレッシャーを掛けられた。僕らが最終ラインでボールを持った時、彼らはボールにプレッシャーをかけるために動いてきた。ボールを持った時に、もっと落ち着く必要があったんだけど」
チャンピオンズリーグを制覇した経験がある世界的名手も、日本のプレスにかなりの圧力を感じていたのだ。
ハイプレスといえば前田大然の代名詞だが、そのセルティックのアタッカーが不在でも機能する。同じくこの日は不在だった、三笘薫、久保建英、堂安律といった攻撃のタレントも、所属クラブでは労を惜しまない守備でも評価されている。
言ってしまえばスランプがないこの特長は、いまや日本が世界に誇れる武器である。