ショートショート「星新一によろしく」

私はSF作家。
しかし頭を悩ませている事がある。

思いつくストーリーが悉く「星新一」のショートショートと被ってしまうのだ。

私が悪い訳ではない。
彼はSFの英雄であると同時に、大戦犯でもあるのだ。

そこで私は過去にタイムマシンで戻り、星新一を殺してしまおうと考えた。

未来のSFを守るためだ。辛抱してくれ…。

そして無事タイムマシンは完成し、星新一が台頭していない時代に着いた。

しかしこの時代に星新一は現れない。
こうしてるうちにタイムマシンは劣化し、壊れて現代に帰れなくなった。

生活に困った私はSF作品を出して生活する事にした。

ペンネームは【星新一】を使わせて貰うことにしよう。

そして売れっ子作家になった私が物思いに耽っていると、突然現れた男に腹を刺された。

男は言う。

「未来のSFを守るためだ。辛抱してくれ…」