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阪神・岡田監督がNPBに提言 ドラ1指名の事前公表やめへんか?ファンにとっては「面白くないやんか」
全ては、球界を盛り上げるためだ。岡田監督がドラフト1位の事前公表を真っ向から否定した。ドラフト会議はアマチュア選手にとっての運命の一日。ファン心理も意識して、持論をぶちまけた。
「今年は(ドラフト会場に)客を入れるとか言うてるから、(事前に1位指名を知っていれば)そんなん面白くないやんか。何のためのドラフトやねん」
脳裏に残るのは、昨年の出来事だ。阪神、ロッテ、DeNAを除く9球団が1位指名する選手を公表し、指名の流れが会議前にほぼ確定していた。阪神は高松商・浅野の指名を公表していた巨人にかぶせる形で抽選に挑み、外れて中大・森下を指名した。当時会場にいたからこそ、異例の“公表合戦”に違和感を抱いたのだ。
「誰を指名したかで、そこでワ~っと沸くわけやんか。(NPBが)マスコミに言わないように、そんな指令を出せばええと思うけどな」
監督に復帰したばかりの今年1月の12球団監督会議では、セ・リーグのDH制導入と引き分け廃止の新案について、ファン目線を加味しながら反対意見を出した。シーズン中の8月には二盗を巡る判定で抗議したことで、野手が本塁以外のベースをふさいだ場合は、たとえ不可抗力でもセーフになる「ブロッキングベース」という新しいルール解釈が9月に生まれた。ご意見番として存在感を増す65歳の名将だからこそ、発言が一石を投じる可能性はある。
「1位公表」は他球団をけん制する狙いがあり、立派な戦略の一つでも、駆け引きの材料に使うことにも否定的だ。かつての逆指名や希望枠がなくなり、現行制度に落ち着いた08年以降、オリックス監督だった09~11年のドラフトでも事前公表はしなかった。今年も「(公言は)せえへんよ。そんなん当たり前やろ」と当日のお楽しみとした。
補強ポイントは「野手よりも投手の方がええと思ってるけどな」と即戦力の大学生投手を示唆した。中大・西舘勇陽、青学大・常広羽也斗、桐蔭横浜大・古謝樹らの映像をチェック済み。競合か一本釣りか。残り2週間。秘密裏に選定を進める。(倉世古 洋平)
《未来の正捕手育成》○…岡田監督が高校生捕手の指名・獲得に意欲を見せた。「キャッチャーは育てんとあかんわ。キャッチャーは高校生よ。今までも名キャッチャーはそうやんか。大学出は(元ヤクルトの)古田くらいやろ。癖のない若い頃からプロのボールを受けんとあかんということよ」。報徳学園・堀柊那、常葉大菊川・鈴木叶が候補。2軍には高卒4年目の藤田、同2年目の中川が在籍しても、未来の正妻育成へ手を緩めない方針だ。
《選手がくじ引き案!?》○…岡田監督は04~08年の第1次政権時代にもドラフト改革案を披露したことがあった。1位指名が競合した際の抽選について「本人がくじを引いたらいいと思う。その方が意中の球団じゃなくても納得できる」と持論を展開。早大時代に当時史上最多6球団から指名を受け、結果的に本命の阪神に引き当てられた過去を持つだけに、選手側の心情に寄り添った意見だった。リモート通信が発達した現代なら、“選手くじ引き案”も実現可能かもしれない。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/10/12/kiji/20231012s00001173075000c.html