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【アジア大会】 国際舞台に復帰の北朝鮮 銀メダルは「恥」 在日選手が感じた共通点
今大会で注目を集めているのが北朝鮮の選手たちだ。
新型コロナウイルスの影響で2021年の東京五輪、22年の北京五輪には不参加。
国際総合大会に出場するのは前回18年のアジア大会以来、5年ぶりだ。
5日に行われた重量挙げ女子76キロ級は北朝鮮勢による一騎打ちとなった。
トータル1キロ差で頂点に立った宋国香(22)は「世界記録を出せなかったのは残念だが、金メダルは厳しい練習の成果だ」。
表彰式では、掲げられた国旗に向かって涙を浮かべながら敬礼した。
この階級を含め、重量挙げ女子では7階級のうち5階級で北朝鮮が金メダルを獲得。
チーム関係者は「長らく国際大会に参加できなかったが、世界で戦う力があることを証明できた」と誇った。
北朝鮮のメダル総数は6日終了時点で金11、銀18、銅10の計39個。国・地域別の金メダル数では7位につけている。
空手男子67キロ級組手の宋尹学(ソンユナ、27)は在日朝鮮人3世。
北朝鮮代表としてアジア大会に出場するのはこれが3回目だ。
自分が試合に向かう際、北朝鮮の選手たちにかけられる言葉には共通点があるという。
「口をそろえて『絶対勝ってきてね』と。勝利へのこだわりが強い」
重量挙げ男子96キロ級の羅光列(22)は銀メダルに終わった後、
会見で「ベストは尽くしたが、銀メダルしか取れなかったことは恥だ」とこぼした。
勝つこと以外が許されない環境下に、彼らは置かれているのだと感じた。
いまスポーツ界では米国などを中心に、結果を求める重圧から選手たちを解放しようという考えが広まりつつある。
外交でも孤立を深める北朝鮮の選手たちが、負けても笑顔を見せられる日は来るのだろうか。(杭州=清水優志)
朝日新聞社 10/8(日) 11:45配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/c77bc697f98edb60e996fbf676e48a2ed4b60aff