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【産経新聞】 朝鮮半島出身労働者「奴隷」学説否定の1次史料発見
史料によると、労働者の収入は「高額」(長谷氏)で、炭鉱が「奴隷労働の現場」だったとの主張や観念を崩す実態を示している。
史料は、かつて北海道北部にあった日曹天塩炭鉱で働いた朝鮮人労働者の「稼働成績並賃金収支明細表」。
長谷氏が昨年、北海道博物館(札幌市)の収蔵資料から見つけた。
労働者を送り出した当時の朝鮮半島の面(村に相当)の面長に向けて、労働者ごとの収支金額や送金額、天引き貯金の状況を伝える書類で、昭和19(1944)年5月から20年6月分の冊子に総数159人分の記録があった。
史料で確認できた労働者86人のうち、19年10月から20年6月まで働いた54人を分析したところ、9カ月間の平均収入総額は896円で、同期間の支出総額が判明した43人の手元に残った金額の平均は311円だった。
長谷氏は「当時の国内物価を考慮しても高額」と指摘する。
史料からは他にも、徴用労働者に毎月賞与(ボーナス)が支払われていたことや、9カ月間の賃金上昇率(日収)が平均で1・6倍以上だったことも分かった。
この史料は、在日韓国・朝鮮人の戦後補償や「強制労働」をテーマにした論文で簡単に触れられていたことがあるが、詳細な内容は明らかにされていなかった。論旨にそぐわない「不都合な真実」として意図的に隠された可能性もある。
長谷氏は「朝鮮人労働者は賃金をほとんどもらえず、もらえたとしても日本政府や日本企業に搾取され、手元にほとんど残らなかった、とする従来の学説を完全否定する内容が史料には記載されている」と話している。
5日に日本記者クラブ(東京都千代田区)で記者会見を開いて史料の内容と分析結果を報告する予定。
2023/10/4 14:05 産経新聞
https://www.sankei.com/article/20231004-Y5FJ6T3KTRJTRBKQ5O4MINDMSY/