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侍ジャパン新監督、井端弘和氏擁立の裏側… イチロー、松井秀喜、松坂大輔ら大物候補にことごとく断られ難航
侍ジャパン新監督、井端弘和氏擁立の裏側 大物候補にことごとく断られ難航…次回WBC監督人事は先送りで決着、任期は今年限りか
8月中にメドが立つはずが空転を続けていた野球日本代表「侍ジャパン」の次期監督人事は、ようやく元中日、巨人の井端弘和氏(48)に絞り込まれた。
3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、14年ぶりの世界一を奪還した栗山英樹前監督(62)が退任にあたり示した後継者像に沿う形で、日本野球機構(NPB)はイチロー氏(49)=米大リーグ・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター、松井秀喜氏(49)=ヤンキースGM特別アドバイザー=ら大物に打診も、ことごとく断られて要件を〝大幅緩和〟。
当面の任期に2026年の第6回WBCを含めず、今秋の国際大会の指揮に限定することで井端氏を擁立する態勢が整った。
日本の野球人口の減少に歯止めがかからない危機感を、大谷(エンゼルス)ら選手らと共有して臨んだ今春WBCで覇権奪回とともに人気回復の足掛かりを築いた栗山前監督は、ミッションを引き継ぐ次期監督に自身が持たない2つの要素を期待した。それが「若さ」と「野球人気を広げられるスター、知名度」だった。
NPBは助言に従いイチロー氏や松井氏、さらには西武やレッドソックスなどで活躍した松坂大輔氏(43)ら、現役時代の活躍から野球ファン以外にも広く影響力を持つ複数候補と水面下で交渉も重ねるも進展せず、当初は8月中がメドとされた選考はずれ込み続けた。
新監督の初陣は、主に24歳以下の選手が出場する11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)。先日提出された1次リストに多くの若手有望株が名を連ねる一方で、監督が空欄のままという想定外の事態に。
苦肉の策としてこの大会のみの暫定指揮官を、現職の12球団監督を含めて打診する案も出るほど人事は難航。大きなネックとなったのが任期の長さとリスクだ。
■来秋「プレミア12」まで
APBC、来年11月の第3回「プレミア12」、そして連覇のかかる26年3月の次回WBCまで、同じ指揮官のもとで戦う体制を目指してきたが、就任から2年半の拘束は特に40-50代の適任者にとって、NPB監督就任のオファーなどの可能性を狭めることにつながることから敬遠された。
また、ベンチでの采配以上に重圧となり得るのが大会ごとの選手招集に向けた折衝だ。今春WBCを完璧な形で制したことで、次期監督に求められるハードルは果てしなく高まる一方、不可欠な戦力だった大谷らメジャー組を次も呼べるか不透明とあっては、リスクの大きさに及び腰になるのも当然だった。
〝栗山ビジョン〟を全て満たすような有力候補がもはや残っていない現実に沿い、NPBは「若さ」にこだわりつつ任期を大幅短縮。当面は今秋のAPBCの指揮に限定することで、スポンサーへの影響力も考慮に入るプレミア12やWBCの監督人事は先送りし、候補者の枠を大きく広げた。
今回白羽の矢が立った井端氏は、稲葉ジャパンのコーチとして21年東京五輪金メダルに貢献。今年8月に台湾で行われたU12W杯でも代表監督を務めるなど日の丸とかかわりは深く、「U12、U15と経験したうえでのトップチームは理想。何年掛かるか分からないが、そういうのはありかな」と将来的な侍ジャパンの指揮には意欲を示していた。他方、NPB各球団からも指導者として引く手あまた。受諾には任期の短縮は必須だった。
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