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依然として〝海外養子縁組大国〟の韓国 欧米の富豪に引き渡す「赤ん坊輸出」の実態
2020年に韓国から海外へ養子縁組された子供は266人。朝鮮戦争が終わってから、「漢江の奇跡」と自称する1980年代前半までは、毎年数千人規模だった。その時期に比べれば激減したと言える。しかし、その背後には、国内の〝取引市場〟の活性化もあるという。
韓国のマスコミは、「赤ん坊輸出」という表現はめったに使わない。「海外縁組による養子」という。
数年前、韓流オバサンから「韓国人は優秀だから、外国の実業家に見込まれて婿養子として外国に行く人がとても多いのよ。エッ、知らなかったの」とやられた。「海外縁組による養子」を、日本人の感覚で解釈すると、こうとしかならないのだろう。
だが、実態は、ブローカー(あっせん業者)が生後数カ月の赤ん坊を金銭を出して引き取り、子供をほしがっている欧米の富豪に引き渡して手数料を取るのだ。業者はしばしば、「人権団体」「慈善団体」を装う。
欧米には、障害がある赤ん坊を育て上げることを名誉とする富豪が少なくないらしい。
中央日報(2009年5月11日)は保健福祉家族省の「03~08年の養子縁組資料」を引用して次のように伝えた。
「この5年間の養子縁組は、国内が1441人。うち障害児135人。海外養子は4678人。うち障害児3428人」
ハンギョレ新聞(韓国語サイト09年5月15日)も同じ資料を引用して、「1958年から2008年までに、韓国から海外へ養子として送った子供は16万1558人」と報じた。
これらの勢いが萎縮した契機は、1988年のソウル五輪を前に、欧米のマスコミが「赤ん坊輸出大国での開催」を批判したことだった。
2010年代に入ると、輸入国側の審査はますます厳しくなった。それとともに、「国内ヤミ取引市場」が活性化してきた。ネットによる個人対個人の取引も多いが、本流はブローカー経由のようだ。
出生届を出していない赤ん坊なら、養子のための法的手続きも必要ない。買い取った側が実子として出生届を出せばいいからだ。産む側は「売る」つもりで出生届を出さないのだ。
業者は外需依存をやめて、内需活性化に取り組んだ。その結果、20年には「1位コロンビア(387人)、2位ウクライナ(277人)、3位韓国」となったわけだ。
韓国の23年4―6月期の合計特殊出生率は0・70まで落ち込んだ。世界最低だ。
国内の実質失業率は高いのに、最低賃金で働く外国人労働者を「輸入」する。出生率は世界最低なのに、依然として赤ん坊を「輸出」する…本当に「ヘンな国」だ。
(室谷克実)
https://www.zakzak.co.jp/article/20230928-3ADNT5R27FMNTHMGN23BHT5SAI/