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【お断り】駐日韓国大使 新「日韓共同宣言」を1-2年で模索、「欧州のようなボーダーレスな関係」を
尹大使は20日、都内でのインタビューで、日本と韓国は価値観や戦略的利益が共通し、国民所得も同水準であるとして、「欧州のようなボーダーレスな関係」を念頭に密接な連携を模索したいと述べた。1-2年以内に国賓級の訪問機会を捉えて、東京かソウルで共同宣言を行い、新しい両国関係を構築したいと語った。同大使は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の任命で昨年着任した。
文在寅(ムン・ジェイン)政権下で「戦後最悪」と言われるまで冷え込んだ日韓関係は、政権が交代して以来、改善に向かっている。首脳外交が活発化しているほか、2019年夏からの日本製品不買運動で3分の1程度に減少した乗用車や化粧品、ビールなど消費財の輸入も持ち直しつつある。共同宣言の作成はこうした機運をさらに高め、経済効果を着実なものとすることにつながる。
日韓が今年2回目の首脳会談へ、「シャトル外交」が本格化
日韓は、1998年に「21世紀に向けた新たなパートナーシップ」を築くことを目指して「日韓共同宣言」を発表。首脳間の相互訪問の定期化や日本の大衆文化の受け入れなどを盛り込んだ。ただ、その後も歴代政権下では竹島や第2次世界大戦中の元慰安婦、元徴用工などの問題を巡り、両国はぎくしゃくした関係が続いていた。
尹大使は、韓国は政権交代で対日政策が変わるとの日本の懸念に理解を示しつつ、「逆戻りをしないためには両国民が関係改善の恵みを肌で感じる」実質的な取り組みが必要と述べた。
対日投資拡大に期待感
関係改善が進むことで日本への投資も、今後急速に進むと期待感を示した。韓国の大企業だけでなく中小企業やスタートアップのトップが頻繁に来日しており、過去10年低調だった企業進出が再び始まるとの見方を示した。
韓国サムスン電子などの半導体メーカーが日本での拠点建設を検討しているほか、日本が強みを持つ部品や素材分野での連携が進むだろうと述べた。
中国に関しては自国の半導体バリューチェーンを拡大しており、「韓国大手の国内生産を上回るのは時間の問題」と語った。携帯電話メーカーや自動車会社など「驚くほど多くの企業が中国から撤退」しており、「今後数年間は韓国の半導体企業にとって非常に重要な時期」だとの見方を示した。
米国と同盟国は中国半導体開発をどう抑制するのか-QuickTake
韓国は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生したこともあり2019年以降開かれていない日中韓首脳会談の再開を目指している。尹大使はハイレベルの対話が順調に進んでいるが、中国との首脳会談実施が米国との関係を損ねることにはならないとみている。日中韓の高官は26日にソウルで会合を行う予定だ。
日中韓高級事務レベル協議、26日にソウルで開催-韓国外務省
–取材協力:Isabel Reynolds、Sam Kim.
(c)2023 Bloomberg L.P.
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