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【Newsweek】中国の見せる「夢」から、途上国が醒めはじめた…グローバルサウスの新リーダーはインドに?
9月9~10日にインドの首都ニューデリーで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議は、ある重要な変化を象徴している。議長国インドが掲げた「ひとつの地球、ひとつの家族、ひとつの未来」という希望的すぎる宣言の背後に、グローバルサウスのリーダーシップをめぐる中国とインドの激しい争いがあるということだ。
10年前は、この分野でインドが中国の本格的な競争相手になるとは想像もつかなかった。それが今や、両国は世界の大きな変化の先端で交錯している。
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ただし、中国の勢いはいくつかの理由で弱まりつつつある。まず、南シナ海での攻撃性は沿岸諸国を警戒させ、平和的台頭という主張が偽りであることを証明している。中国の海洋帝国主義の犠牲になったフィリピンは、中国との実りなき盟約を捨ててアメリカ陣営に復帰した。
さらに、国家が支配する目標主導で投資と輸出に偏重した経済は、機能していない。最近の債務危機とパンデミックからの回復の失敗は、今後の見通しも厳しいことを物語る。
その結果、一帯一路のインフラプロジェクトで中国政府からの資金が枯渇し始めている。また、グローバルサウス、特にアフリカは、中華思想が人種差別と表裏一体であることに気付くようになった。
そして、西側と中国は互いに敵視を強めており、途上国は巻き込まれることを警戒している。ブラジルとインドは、BRICSの拡大が、中国による世界経済秩序の破壊を手助けしていると不満を見せている。
このような状況で、インドは中国に代わってグローバルサウスのリーダーとなる態勢を整えている。インドは1950年代の冷戦下で中立主義と反植民地主義を掲げた非同盟運動の創設メンバーであり、その一貫した代弁者である。人権問題を抱えてはいるが、世界最大の民主主義国家として、中国のような政治的抑圧は行っていない。
インドがグローバルサウスのリーダーを目指すことは、西側にも受け入れられる。西側は既に、中国からサプライチェーンを移転する主な行き先としてインドに注目している。
ただし、中国はインドの挑戦をおとなしく受けるつもりはない。軍事的には国境紛争をさらに誘発するだろう。インドのもう1つの敵国であるパキスタンには、既に戦闘機、誘導ミサイルフリゲート艦、攻撃型潜水艦を供給している。
中国がインドに与え得る最も危険な脅威は、チベット高原から流れる水資源を完全に支配することだ。それでも、こうした中国の脅威に対して西側も断固とした態度で臨めば、中国はインドの台頭を止めることはできないだろう。
重要なのは、グローバルノースとサウスの仲介者としてのインドの立ち位置に、西側がしびれを切らさないことだ。「冷戦2.0」の中国と西側の間で、ほかのグローバルサウスもインドに倣って中立を保つようになれば、インドは世界に大きな貢献を果たすことになる。問題は中国がそれを許すかどうか、だ。
ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3a0c165a061269af0533a9bfff3d88f26636eae?page=1