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【奇を以て勝つ】 人民解放軍を誰よりも知る日本人研究者が語る「台湾有事、中国側はこんな超短期決戦をしかけてくる」
いまなお世界中で読み継がれている「孫子の兵法」には、こんな一節がある。
〈およそ戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ〉
勝利とは、まずは正攻法で敵と対峙しながら、奇策によって得るもの、ということだ。
アメリカと日本、そして中国は精緻に相手の戦力を分析しながら対峙している「正を以た」状態だ。
であれば、台湾有事において「攻める側」となる中国は、孫子の兵法に書かれている通り、
奇を以て戦闘に勝利しようと目論んでいるのではないか。
「人民解放軍も冷静に戦力を比較すれば、アメリカとの全面戦争に勝てないことはわかっているでしょう。
しかし、習近平主席が『台湾統一は是が非でも実現する』と決断したら、人民解放軍はその決定に従い、
勝てる策を考えて実行しなければならないのです。そのとき、彼らの軍事的合理性は、必ずしも我々と同じ”方程式”では計算できないのです」
こう語るのは、笹川平和財団の主任研究員・山本勝也氏だ。
防衛大を卒業後、海上自衛官として統幕防衛交流班長や米海軍大学教授、防衛研究所教育部長などを歴任した山本氏は、
胡錦濤政権時代の’07年に中国人民解放軍国防大学に留学。その後、北京の日本大使館で防衛駐在官を3年務め、
以降中国の軍事動向について調査研究を続けている。いわば「日本で誰よりも人民解放軍を知る男」だ。
山本氏によると、台湾有事における人民解放軍の戦略の前提は次のようになる。
(1)短期間で(2)台湾の都市部と指揮中枢を無力化し(3)アメリカ・日本に介入の口実を与えず(4)香港や新疆地区でそうしてきたように、
「国内問題」として台湾の掃討・鎮圧・統治を進めていく―。
山本氏が解説する。
「中国にとって最も重要な戦略は、台湾だけを相手に戦う、つまりアメリカや日本に介入させないことです。
そのための策を逆算して考えていく。
となると、まず短期間での決戦が大前提となります。
戦闘の期間が長引けば長引くほど米軍は戦力を結集することができ、中国に不利になる。
また台湾の市民がウクライナのように中国側の非道を国際社会に向けて繰り返し発信すれば、アメリカや日本を中心に、
世界中から台湾への支持が集まります。ロシアと同じように泥沼に引きずりこまれることになれば、中国が勝つことは困難になる」
・専門家が予測する台湾制圧作戦のシナリオ
短期決戦の作戦はおよそこのように進められる。作戦1日目の早朝に、まずはサイバー戦部隊が台湾のインフラを破壊する。
これによって大変な社会混乱がもたらされる。ほぼ同時に、弾道ミサイルや爆撃機によって台湾の都市部と台湾軍の指揮中枢を破壊。
容赦ない数のミサイルが放たれ、台湾は恐怖の炎に包まれることになる。
「同時に人民解放軍の特殊部隊が台北の中心に侵攻し、台湾の首脳陣や軍の幹部を次々と殺害します。
これが最も困難な作戦になるでしょうが、ここで台湾の首脳陣を取り逃したり、東部に逃げられたりすれば、
まさにゼレンスキー大統領がウクライナの象徴となり頑強な抵抗が始まったように、台湾の長期的な抵抗のきっかけを与えてしまう」
さらに重要な作戦方針がひとつ。それは「日本の領土領海には手を出さないこと」だ。
「アメリカや日本側のシミュレーションでは、中国が与那国島や尖閣に攻撃を加えたり、一時的に占領したりすることで、
日本が防衛出動し、日米同盟が発動し、中国を迎え撃つ……と想定されているものが多くあります。
ー後略ー
全文はソースから
9/6(水) 13:04配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/e0ec0f5d802b43a2f177bd68f2f18958eead152f