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1 デビルゾア ★ :2023/09/03(日) 04:20:48.54 ID:nhz0LxD+9
日本の大学進学率は上昇の一途だ。進学希望者の望みがかなえられる社会になっていると見ればいいことでもあるが、実情はそう単純なものでもない。「大学に行かなければいい仕事に就けない」という考え方が職業に上下をつけ、進学以外の選択肢を見えなくさせてきたことは否めないからだ。この既成概念を打破するために、高等学校での進路指導が担う役割は大きい。学校現場での指導状況や若者たちの志向について、情報誌『高卒進路』の編集長でもあるジャーナリストの澤田晃宏氏に詳しく聞いた。
高校生の就職は、誰にとっても無関係な話ではない。例えば今、あなたはスマートフォンでこの記事を読んでいるかもしれない。その手の中のスマホに電波を届けるための設備は、おそらく多くの高卒就職者によって維持されている。あるいは今夜、ネット注文した商品があなたの家に届くかもしれない。その物流ネットワークを支えているのも、やはり高卒就職者たちである可能性が高い。
「進学をよしとする空気が強いですが、製造業などで働く技能労働者がいなければ社会は回りません。配送ドライバーや介護などのエッセンシャルワークを主に担っているのが高卒就職者です。高齢化と人手不足が加速する建設業などでは、大卒初任給平均を大きく上回る20万円台後半の高卒初任給を設定する会社も増えてきました」
そう語るのは、ハリアー研究所が発行する進路情報誌『高卒進路』編集長の澤田晃宏氏だ。同誌は春、夏、秋の年3回、全国約4000校の進路多様校に無料配布されている。2023年夏には、高校生の就活が解禁される7月末時点の有効求人倍率が32年ぶりに3倍を超えた実態を特集。記事によると、中でも伸びが大きい飲食業や宿泊サービス業は前年比で48%増となったという。
「好調の背景にはインバウンドの復調もありますが、コロナ禍でも、3.11直後のような求人数の落ち込みはありませんでした。高校生の数自体が減っているうえ、就職希望者も減っています。『金の卵』である高卒就職者への期待は大きい」
高校生の進路選択に大きく影響するものがあると澤田氏は指摘する。それは20年に導入された「高等教育の修学支援新制度」、一般的に「大学無償化」といわれる制度だ。適用条件は「住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生であること」「学ぶ意欲がある学生であること」の2点だが、澤田氏は「現状、評定平均値が3.5未満の学生でも、収入要件さえクリアすれば制度の対象となっている」と同制度に疑問を投げかける。
「進路多様校や教育困難校には母子家庭など貧困家庭の子どもも多く、収入面で修学支援制度の対象になる割合が高い。学生集めに苦慮するいわゆる『Fラン』と呼ばれるような大学や専門学校が、そこに商機を見いだすこともあるわけです。完全な売り手市場で新卒高校生に向けた待遇条件が上がる中、この制度を使って進学することが本当にいちばんいい選択なのか。一度じっくり考えてみてほしいのです」
下の図を見ると、とくに1990年ごろから、高卒での就職率が大きく下がっていることがわかる。それに反比例して進学率は上昇。普通科高校では卒業者のほぼ7割が何らかの形で進学し、就職する人の割合は20年以上前から1割を切っている。思考停止でこの多数派に乗ることが、必ずしも「いちばんいい選択肢」であるとは限らないのだ。
(中略)
希望する誰もが進学できることはすばらしいことだ。だが本当に実現すべきなのは、進学してもしなくても、誰もがきちんと働いて暮らしていけることではないだろうか。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/875fa5e6d501cf48ba76d8dcc6f0b8f81084880d