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【韓国と日本】 「どっちが暮らしやすい」のか…? この夏、「意外な共通点」と「大きな違い」が見えてきた!
韓国と日本はどちらが暮らしやすいのか、というのは日韓で過ごしたことのある身にとっては聞かれることのある質問である。
そんな日韓の「差」について考えさせられることが、この夏に起きた。
7月中旬に、筆者は韓国から日本に一時帰国をした。その頃から日本は連日の猛暑続きで、
各地で日中の気温は35℃を超えていて、じっとしていても汗が滲み出てくる日本特有の高湿度を体感した。
反面、韓国では同じ時期に全域で記録的な大雨が続き、多くの犠牲者を出す被害が相次いでいた。
韓国に戻ってからもスッキリしない天候が続いていたもの、気温は日本よりも10℃以上低く、猛暑から解放されたという感じであったが、
7月末になるとこれまでの雨がうそのように夏空の晴天続きとなった。
さらに、そこから猛暑が始まったのである。連日、各自治体が猛暑に対する警告メールをスマホに送信するほどである。
20年前、韓国に来た当初は、ソウルでも夏場にエアコンを使うことは数えるほどしかなく、扇風機でも十分にしのげていた。
また、釜山では最高気温が30℃を超えることはほぼなく、湿気もなく快適な夏であったことを記憶している。
・「熱中症」がヤバいことに…!
それが、この5年程は夏場の湿度が高くなり、気温も35℃近くまで上がるなど「日本の暑さ」とさほど変わらないという印象を受ける。
周囲からも「昔はこんなに暑くなかった」「この数年で湿度が高くなった」「今年は今までないない暑さだ」といった発言を、
毎年のように聞くようになった。
明らかにこの20年で韓国も気候が大きく変化していることを実感させられるのだ。加えて、猛暑で問題視されているのが、
高齢者をはじめとする熱中症患者の増加である。
日本と比較すると韓国ではまだまだ熱中症に対する認識は低いと感じるが、
ここ最近の猛暑で8月3日現在で23人が熱中症が原因で死亡したという。
最近、特に指摘されているのが、「タルトンネ」と呼ばれる高齢者や低所得者が多く居住する地域での熱中症患者の多発である。
・もはや「尋常」ではない
ニュース番組で釜山にある独居の高齢者が多く暮らす地域で、扇風機一つで過ごす高齢者の姿が紹介されていたが、
屋根の付近で日中の温度は約60℃、地面は32℃、室内は33℃をそれぞれ表示し、
僅かながら屋外よりも屋内の気温が高いという結果であった。
これでは熱中症のリスクが高くなるのは当然である。
こうした地域は現在まで再開発が進められておらず築年数の古い住宅が密集し、家屋の素材も簡素であるために寒さや暑さに弱いといえる。
自治体によってはエアコン設置のために一部援助を行う方針を示すも、
高齢者側の理解や援助をめぐる折り合いがつかず進んでいないことが現状である。
韓国の自然災害について触れる際に、「政府や自治体による注意喚起メールのシステムが向上していること」ということをよく指摘しているものの、
やはり、近年の尋常でない気候変動を見るとそれだけでは不十分であることを感じる。
・日本と韓国の「共通点」と「違い」
「IT大国」と言われる韓国だが、まだまだ改善や対策をしていくべき点や、
何より今までの基準や常識は捨て人々が自然災害に対する意識を変えていく必要など多々ある。
一方で、ITでは遅れているとされる日本では、地震大国であるがゆえにそうした自然災害への対策が広くいきわたっている面もある。
自然災害を相手にすると「答え」はいつまでも経っても見つからないが、日韓の「共通点」も「違い」もまた感じる夏なのである。
ー後略ー
田中 美蘭(ライター)
9/2(土) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/fbbc7eff5e925257c4d855441ffabbd693ba11f8