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【処理水炎上】 中国に変化の兆し? 官製メディア「憤慨させているのは日本国民ではない」記事掲載
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【北京・伊藤完司】
中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)では、東京電力福島第1原発処理水を巡る投稿が検索ランキングの上位に並ぶ日が続いていたが、31日にはランキングからほとんどが姿を消した。官製メディアなどが相次いで市民に冷静な対応を呼びかける記事を掲載したことなどが影響したとみられる。
インターネット上では「日本人は死ぬべきだ」などと攻撃的な投稿が相次ぎ、邦人社会に不安が募っていただけに、関係者は先行きを注視している。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は8月30日の社説で「中国社会を憤慨させているのは強引に放出した身勝手な行動で、日本国民ではない」と訴えた。政府系の経済紙も同日、中国人が経営する日本料理店へのボイコットや水産物の不買運動を控えるよう呼びかけた。
31日は微博のランキングの60位内から処理水の話題はほとんどなくなり、交流サイト(SNS)上での批判は一服した形となった。
24日の処理水放出開始以降、日本人学校に石や卵が投げつけられ、ネット上には中国から日本への迷惑電話を呼びかける投稿もあり、過激化が懸念されている。中国政府がこうした行動に一定の抑制が必要だと判断した可能性もある。
日本大使館の呼びかけを受け、外で大きな声で日本語を話すのを控えたり、自主的に外食の機会を減らしたりする人もいる。日本企業の中には中国への出張を控える動きもある。日本企業の北京駐在員は「このままではビジネスへの影響が拡大するばかりだ」と懸念し、対日世論の推移を気にしていた。
2023/9/1 6:00 (2023/9/2 7:52 更新)
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