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【不動産バブル崩壊】 異常事態の中国、首吊り・ビル飛び降り・投獄…地方幹部の自殺頻発習政権の摘発攻勢が関係か
習近平政権は人民元の信用喪失を恐れて思い切った金融の量的拡大による不動産テコ入れ策がとれないが、
そのかわりに市民の不満をそらそうと、バブルに乗じて不正蓄財してきた者たちの摘発攻勢が背景にあるようだ。
 中国国内で流れるネット情報によると、山東省中部の濰坊市では副市長1人が首を吊り、 
 他の副市長と市の元党副書記ら計4人が投獄された。ビルからの飛び降り自殺(未遂を含む)は、 
 上海に近い江蘇省無錫市党副書記▽青海省の西モンゴル・チベット自治州の党委員会書記▽江西省宜州市党書記 
 ▽天津市津南区党書記▽河北省興隆県国土局書記局長▽内モンゴル自治区アロン旗地区の党書記▽山東省徳州市副市長の7人。 
 8月28日にも白シャツの中年男が北京の高層ビル中ほどの階から下の植栽地めがけて飛び込む一部始終を、 
 通行人がスマホのカメラで撮影したショッキングな映像がチャットアプリの「微信」(ウィーチャット)で流れた。 
 上記の自殺・投獄計12人の氏名、肩書とも明記されているが、中国の公安警察が公表しない「未確認情報」だ。 
 日時は「最近」にとどめて自殺や投獄の理由については言及していない。 
 だが、情報が具体的であることや、不動産バブル崩壊が進行している時期に利権を持つ幹部が投獄されたり、 
 自殺したりしている背景を考えると、信憑(しんぴょう)性は高いとみる。 
 グラフは住宅着工とマンション販売の前年同期比増減率である。 
 昨年末に底を打ったかのように見えたものの、最近では再び下落がひどくなっていることがわかる。 
 なぜ、党や地方政府幹部が不動産バブル崩壊に大きな関わりを持つのか。根源は中国特有の土地の公的所有制にある。 
 「土地は人民のもの」という共産主義の建前のもと、「人民」を代表する共産党が支配する地方政府が所有し、 
 地方政府はその利用権を不動産デベロッパーに販売してきた。 
 地方政府の財政収入のうち土地利用権の販売収入がバブル崩壊前、全収入の7割以上に上った。 
 地方政府はさらに不動産開発資金調達と開発事業を兼ねる別組織「融資平台」を設立してきた。 
 融資平台の債務総額は2013年6月には7兆元(約140兆円)だったが、バブルとともに膨張を続け 
 昨年末、59兆元(約1180兆円)に上ると見込まれている。 
 これらの土地とカネは党や地方政府の幹部たちの格好の利権になり、不動産の相場が上昇し、開発事業が活発になればなるほど、 
 不正蓄財が膨らむ。ところが、バブルがはじけると肝心のマンション販売は落ち込み、融資平台はたちまちのうちに債務超過に陥り、 
 地方政府は財政難にあえぐことになる。すると、党規律委員会などによる責任者への追及が厳しくなる。 
 追及を受ける既得権益者たちには2つの道がある。 
 まずは、「死人に口なし」。死して蓄財情報を隠し通して接収を免れ、残った身内に遺産として残す。資産の多くは香港経由で海外に移転済みだ。 
 それとも、否定しきれない分の不正蓄財を差し出し、監獄での刑期を短くするよう当局に懇願するか、である。 
 (産経新聞特別記者・田村秀男) 
 夕刊フジ 2023.9/1 06:30 
 https://www.zakzak.co.jp/article/20230901-XA4HQFN5M5IA3CRS722Y2PNYO4/ 
 
		  	      
      






 
		                  