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【実際は違う】「日本より給料が高い」「日本を超えた」韓国人が、なぜか「日本で就職したい」の意外すぎる訳
日本の給料が安い――そんな呟きが多く聞かれるようになってきた。
日本と韓国を比べても、韓国のほうが最低自給や平均賃金ですでに「日本を超えた」というデータや統計結果も出ており、
一昔前と比べて大きく現実が様変わりしたことを感じさせる。
では、「給料が日本より高い」という韓国のほうが日本よりいいかといえば、じつは一概にはそうとも言い切れない現実もある。
たとえば旅行業界などでは韓国人が日本の会社に志願する者が減ったなどと言われることがあるが、
一方で、そうしたことは限られた業種だけの話で、日本での留学や就職を目指す若者が相変わらず多いという現実は見逃せない。
そうした背景事情としては、韓国では、「大卒」という学歴に対するプライドから「高給であること」、「重労働でないこと」など
「できるだけ楽に稼ぎたい」という条件だけを選り好みしている話もよく聞く。
この結果、自身の能力を過大評価し過ぎて能力に見合ってないところに志願し続けて落とされる、
公務員や司法試験に際限なく挑戦し続けるといったことも“あるある”なのだ。
・それでも「韓国」より「日本」がいいワケ
また、今年5月に大韓商工会議所が20代~30代の若者300人を対象に行った「求職に対する意識調査」では
「中小企業に対する印象」について約63%が「仕事量と比して待遇が低い」と答え、この他にも不安要素として
「ワークライフバランスを実現させにくい環境」、「将来性が望みにくい」、「雇用の安定性が心配」
といったネガティブな回答が多かった。
また、こうした理由から、6割が就職は大手企業や公務員を、
初任給は日本円で約300万円~350万円を希望しているという結果が出たのだ。
こうした現実を受けて「若者たちは現実を見ずに理想ばかりだ」という指摘も出ているわけだが、
事実、韓国の中小企業は家族経営で社長がワンマンというところも多い。
経営状況にとって解雇や賃金不払いといったトラブルもままあるし、
また、大企業と言えど40代や50代で肩叩き的に早期退職をするケースも珍しくない。当然のことながらその後の再就職も厳しい。
だからこそ、日本では中小企業であろうとも福利厚生面や雇用環境などが韓国よりもはるかに充実している上、
安定感があると思えるのである。
・韓国人は目先の利益を追いがち?
韓国では、条件のそぐわないところで雇用されて働くのであれば自分で起業するという考えを持つことも特徴であるといえる。
街中を見ればその動向は一目瞭然である。たとえばある食べ物や飲み物が流行れば、
その店が街のあちこちにオープンして増えるが、流行が過ぎればあっという間になくなるといったことの繰り返しである。
フランチャイズの飲食店の起業の広告もよく見かけ、「稼げる」などと耳障りの良いフレーズが並んでいるが、
チキン店やカフェといった飲食店そのもが飽和状態である上、原材料や人件費、賃貸料の高騰を見れば経営が簡単であるはずがない。
韓国は、国の政策などについても言えることであるが、中長期的に先を見据えて計画をすることが苦手であるように感じる。
若者の就職についても目先だけにとらわれがちであるともいえる。
日本も韓国も長所、短所はあるだろう。そして、一概に「どちらが良い」とは言い切れないとも言えよう。
ただ、確実に言えることは、この30年で自国のみならず世界が大きく変化し、生活や労働に対する価値観も変わった。
ー後略ー
田中 美蘭(ライター)
現代ビジネス 8/30(水) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/46622d354988ded0be5d88469f5691d45e7700c2