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巨人・浅野翔吾(18) “おっさんルーキー”の気付き スターたちの前でプロ1号! 昨年の8月18日は甲子園準々決勝近江戦でHR
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偶然か運命か。浅野が広島の夜空に初めて放物線を描いた。3点を追う5回無死二塁、広島森の内角低めカットボールをすくい上げた。デビューから12打席目での1発は、15年の岡本和以来となる高卒1年目での本塁打で初打点もマーク。左翼の防球ネットまで運ぶ特大の1号2ランに「こんなに早く出るとは思ってなかった。香川に近い広島で打ててうれしかった」と人生初の広島が思い出深い地になった。
ちょうど1年前だった。浅野の高校野球は、甲子園バックスクリーンへの1発とともに終わった。地元の仲間と白球を追った青春時代。「後悔はないです」と未来に目を向けた日から、立ち止まることも、振り返ることもなかった。ドラフト、新人合同自主トレ、春季キャンプ、開幕-。環境も立場も大きく変わった。
開幕当初は2軍でも結果を出せずに苦しみ、弱音が口をついた。4月5日イースタン・リーグDeNA戦、調整登板の今永と対戦したときは、3打数無安打2三振に「レベルが違います…」と苦笑いで悔しさをかみ殺した。4月は同リーグで51打数で19三振。自分が嫌になった。
どん底の1カ月を経て、5月を迎えようとしているときだった。寮で1軍戦をテレビ観戦しているときに、ふと気付いた。「勇人さんも、岡本さんも三振している。1年目の自分がうまくいくわけないし、三振するのも仕方ないじゃんって思ったんです」。重苦しかった心が軽くなった。現実から逃げずに、三振の動画を見返した。
わずか4カ月後、その偉大な先輩たちの前で豪快な初アーチを見せつけた。「戦う姿勢で絶対にレギュラーをとることを目標に決めてからは弱音をはくことがなくなった」と入寮当初に感じた故郷・香川への恋しさは、もうない。坂本からは「浅野のおっちゃん」と呼ばれる、愛されキャラの18歳。“おっちゃん”がスターダムを駆け上がるのは、必然だ。【小早川宗一郎】
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日刊スポーツ