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<女子W杯>攻守に混乱のなでしこ、パリ五輪へもっと攻撃的に スローインをためらった浜野のプレーは大きなポイント
なでしこジャパン(FIFAランク11位)は準々決勝でスウェーデン(同3位)に1―2と敗れ、準優勝した2015年以来の4強入りを逃した。前半32分に先制され、後半6分にもPKから失点。同42分に途中出場のMF林穂之香(25)=ウェストハム=が1点を返したが、及ばなかった。21年東京五輪・準々決勝で敗れた(1―3)因縁の相手に屈し、8強で大会を去ることになった。
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スウェーデンは強く、うまかった。選手たちの言葉を聞くと、混乱ぶりがうかがえた。MF長谷川は「相手のボール回しに対して、守備の仕方が定まらなかった」と圧倒された前半を悔やんだ。押し込まれ、守備ラインがずるずる下がった。攻撃では前に運ぼうとしても、届かない。これまでなら通っていたパスが長い足にカットされ、逆にカウンターを受けた。
目を赤く腫らした藤野は「最後までどこをどうすればよいのか分からなかった」と振り返る。「スピードだけじゃどうにもならない。カウンターの局面は、攻撃の糸口が見つけきれなかった」。前半はシュート0。2点リードし、リスクを抑えた戦いとなった相手に後半こそチャンスを作ったが、藤野は手も足も出なかったとの印象を持ったという。
FIFAランク3位の相手に、立ち遅れたと感じ取ったのは長野。「後半の中盤くらいからのプレーができれば、もっと自分たちがアクションを起こして攻撃的にいければよかった」。
交代カードの切り方も気になった。後半ロスタイムに投入された負傷明けの浜野には、試合勘不足を感じた。スローインで近くに日本の2選手がいたが、ためらった。その2秒で相手は陣形を整えた。大きなポイントに思えた。
長谷川は「自分たちが先手を取れないといけない」と、ピッチで主導権を握る重要性を感じた。この日の涙を糧に、パリ五輪では自ら仕掛ける姿を見たい。