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【ハンギョレ】 「韓国も『性奴隷』という語使わない」…日本の強引な主張を確認する情報公開訴訟
ソン・ギホ弁護士、外交部を相手取って「情報非公開処分取り消し訴訟」
日本政府がこのかん日本軍慰安婦被害を「性奴隷」と表現してはならないと主張し、
韓国政府もそのことを確認したと主張している中、
外交部がこれに関する情報公開請求を拒否したことに対して行政訴訟が提起された。
民主社会のための弁護士会(民弁)のソン・ギホ弁護士は3日、外交部長官を相手取って
情報非公開処分の取り消し訴訟を最近起こしたことを明らかにした。
ソン弁護士は6月、外交部に対し、2015年の韓日慰安婦合意をめぐって「韓国が『性奴隷』という表現が事実に反すると
日本に対して確認あるいは意思表示した内容が記載されている韓国側の関連文書」の公開を請求した。
外交部は「国家安全保障・国防・統一・外交関係などに関する事項であるため、
公開されれば国家の重大な利益を顕著に害する恐れがあると認められる情報」だとの理由で「非公開処分」を下した。
日本政府が本格的に「慰安婦は性奴隷ではなく、韓国政府もこれを確認した」と主張しだしたのは2019年からだ。
日本の外務省は「外交青書2019」に「『性奴隷』という言葉は事実に反するので使用すべきではない」とし
「この点は日韓合意の際に韓国側とも確認していた」、「日韓合意の中でも、『性奴隷』という表現は一切使われていない」
と記している。
2018年版には、慰安婦を「性奴隷」とは考えないという日本政府の立場だけが記されていたが、
2019年版からは朴槿恵(パク・クネ)政権時代に韓国側の同意があったという主張が追加されたのだ。
当時、韓国政府は日本に厳重に抗議している。
「韓国側が同意したのは、韓国政府の用いる慰安婦問題の公式名称は『日本軍慰安婦被害者問題』
だけだということを指摘」したものであり、「『性奴隷』との表現を使ってはならないということに同意してはいない」と述べた。
しかし日本政府は訂正していない。日本の強引な主張は最近まで続いている。
今年1月に国連ジュネーブ事務所で行われた日本政府に対する国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)でも、日本は同じ主張を繰り返した。
ソン弁護士は「国の重大な利益を顕著に害する恐れがある」として情報公開を拒否した外交部の決定に対して、「今回公開請求した情報は交渉文書では一切なく、2015年韓日慰安婦合意で韓国が『性奴隷』という表現は事実に反すると確認したのかについての文書に限定した」と反論した。
ソン弁護士は「この情報が公開されてはじめて、日本のこのような主張の真偽と2015年の共同発表の実体が分かる」とし「むしろ外交部には戦時『性奴隷』慰安婦問題の本質を日本に明確に認識させ、これを規範化する憲法的義務がある」
と述べた。
ソン弁護士は2015年の韓日慰安婦合意当時に「強制連行の有無と事実認定問題」についての協議の内容に関して情報公開を請求したが、拒否されている。
ソン弁護士はこれに対して非公開処分取り消し訴訟を起こし、一審では勝訴したものの二審で敗訴し、
今年6月に最高裁によって上告が棄却された。
非公開で進められた外交交渉の内容の公開に対して慎重な態度を取った従来の立場を再確認したかたちだ。
イ・ジヘ記者
登録:2023-08-04 00:30 修正:2023-08-04 07:35
ハンギョレ
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/47452.html