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【Money1】「韓国の平均所得が日本より上」は本当か?
これは本当でしょうか。
韓国と日本の労働者の所得についてのデータを比較してみます。まずは韓国。
以下は2023年02月28日に韓国の統計庁が公表した2021年の賃金労働者の平均所得を調査したデータです。
’21年12月賃金労働の仕事で働いた労働者の平均所得は333万ウォン。
前年比4.1%(13万ウォン)増加し、中位所得は250万ウォンで前年比3.3%(8万ウォン)増加した。
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2021年賃金労働雇用所得(報酬)結果」
これは月給計算になりますが、賃金労働者の所得は平均で333万ウォンとなっているので、ざっくり1/10で計算して「約33.3万円」です。
しかし、これは単純平均。より体感に近い数字である中央値は「250万ウォン」となっていますから、約25万円です。
単純平均と中央値が73万ウォンも違います。中央値は単純平均より「24.9%」も低いのです。
次に日本を見てみましょう。同じ2021年の調査で比較してみます。以下は厚生労働省が公表した「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」の中にあるデータです。
平均所得金額:564万3,000円
中央値:440万円
⇒参照・引用元:『日本国 厚生労働省』公式サイト「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」
平均所得金額は「564万3,000円」で中央値は「440万円」。中央値は単純平均より「22.0%」少ないです。韓国は「24.9%」の差でしたから、日本の方が所得格差が小さいことを示しています。
ただ、日本のデータは年収ですので12カ月で割って月収にすると以下のようになります。
月収換算
平均所得金額:47万250円
中央値:36万6,666円
韓国と日本を比較してみましょう。
平均所得金額
韓国:約33.3万円
日本:約47.0万円
中央値
韓国:約25万円
日本:約36.7万円
韓国企画財政部のデータは「社会保険(国民・健康・雇用・労災)や職域年金(公務員・軍人・士業・郵便局)に加入している約1,999万人を集計したもの」となっているので、確度は高いものと思われます。また日本の厚生労働省も確かなデータを提示しているでしょう。
ですので、「韓国の1人当たりの所得が日本を追い抜いた」という話は、このデータを見る限り信じられません。
(吉田ハンチング@dcp)