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最下位低迷の中日 ホームランゾーン増設を望む声も、「球場狭くしても勝てない」の指摘が
低迷の要因は様々だろう。チーム編成を巡る補強策、ドラフト戦略、若手の伸び悩み…。その中で、打力強化の一環として数年前から議論になっているのが、「ホームランテラスの増設」だ。
中日を取材するスポーツ紙記者は強調する。
「ホームランだけが野球の魅力ではないことは承知していますが、得点が入らないと試合が盛り上がらないし、ファンの野球離れが進んでしまう。石川昂弥、細川成也と和製大砲がいるわけですし、ホームランテラスを増設することで目指す野球の質も変わってくると思います。投手の優位性がなくなるという懸念はありますが、他球団の投手は狭い球場を本拠地に投げている。今年のWBCで侍ジャパンに選ばれた中日の野手がゼロだったように、広い球場は強打者が育ちにくい側面がある」
立浪和義監督もホームランテラスの導入について、個人的に希望している旨を昨年のシーズン途中に語ったことがメディアで報じられた。
本塁打が出やすい球場になることで、野球が劇的に変わることは他球団が証明している。ソフトバンクは本拠地が両翼100メートル、中堅122メートル、左右中間118メートルの広さに加え、高さ5.84メートルのフェンスが本塁打を阻んでいたが、15年に「ホームランテラス」が設置されたことで、本塁からスタンドの距離は最大約6メートル短縮され、フェンスも4.2メートルと低くなった。効果は如実に数字に表れた。チーム本塁打数は、14年の95本から141本へと大幅に増加。14年は李大浩の19本塁打がチーム最多だったが、15年はホームランテラス効果もあり、松田宣浩が35本、柳田悠岐が34本、李大浩が31本をマークした。
ロッテもグラウンドの外野部分にせり出す形で19年に「ホームランラグーン」を新設。本塁からの距離は最大約4メートル短くなり、外野フェンスの高さも下がったことで、本塁数が急増した。18年は78本塁打とパ・リーグで唯一2ケタだったが、翌19年は158本塁打と倍増。ブライアン・レアードが32本、井上晴哉が24本をマークするなど、7選手が2ケタ本塁打を記録。642得点と前年の534得点から大幅に増えた。
中日ファンは、ホームランゾーンの増設についてどう感じるだろうか。中日ファンの30代男性は「点が入らない試合が多いので、他球団がうらやましいと感じる時は正直あります。球場が狭くなって本塁打が出やすくなったら得点が入りやすくなるし、チームもガラッと変わる可能性がある。ホームランゾーンを設置するのが厳しいなら、フェンスの高さを変えるだけでも違ってくる」と提案する。
一方で、違う見方も。ファン歴45年という名古屋在住の50代の男性は「ナゴヤドームで星野さん、落合さんは勝ってきたわけですからね。ホームランゾーンの増設に反対というわけではないけど、それより見直すべきことがあると思う。外国人補強や若手の育成方針を見ると、フロントと現場が同じ方向を向いて本気で勝ちにいこうという姿が見えない。今のチーム体質で本塁打が出やすい球場に変えても勝てないでしょう」と語気を強める。
中日は今月18日、西武と1対1のトレードが成立したことを発表。俊足に定評がある高松渡を放出し、川越誠司を獲得した。強肩強打が魅力の川越を補強し、打撃面を強化しようという思惑が見られる。ホームランゾーンの増設を含め、低迷期からの脱却へあらゆる方策を検討すべきかもしれない。
全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f31bc893828bf688b633278fe9801c3b22278cf?page=2