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【韓国の日本に対するヘイトにも罰則を】ヘイトスピーチに踏み込んだ罰則を…在日韓国人作家 深沢潮さんが訴え 解消法施行5年で超党派議連が集会
◆ヘイトは「魂の殺人」
深沢さんは韓国籍の両親に生まれ、30歳で日本国籍を取得した。中学でのいじめ、就職活動での門前払い、恋人からの拒絶などを体験したといい「韓国人を差別する空気を吸って、日本で生きてきた」と振り返った。体験を踏まえ、在日コリアンを題材とした作品を発表してきた。
東京・新大久保でヘイトデモに遭遇した時も「やっぱり。私は憎まれ、嫌われる存在なんだ」と感じたという。「在日は魂を削られ、自尊心を持つことも難しい。私たちだけではどうしようもない」とさらなる対応を訴えた。
化粧品会社ディーエイチシー(DHC)が、自社のサイトで在日コリアンを差別する文章を載せた問題も取り上げられた。ジャーナリストの安田浩一さんは「影響力ある企業という器を使い、会長が『在日が日本を支配している』といったデマを垂れ流している」と批判。DHCと連携協定を結ぶ自治体などに、差別を許さない対応を求めた。
◆「理念法」だが抑止も
解消法成立に尽くした与野党の国会議員らが集会後に記者会見し、理念法であっても、ヘイトスピーチの抑止につながったなどと一定の評価を示した。公明の矢倉克夫参院議員は「ヘイトスピーチに刑事罰を科した川崎市条例のように、法(の趣旨)を生かした取り組みが大切ではないか」と話した。(安藤恭子)
東京新聞 2021年5月27日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/106791
人種差別撤廃基本法を求める議員連盟集会で、自身の差別体験などを語る作家の深沢潮さん=26日、東京・永田町の参院議員会館で