興行不振が続きで新作投資がストップし、韓国映画界は〝壊滅的〟 世界を席巻する韓流のイメージなのになぜ?

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興行不振が続きで新作投資がストップし、韓国映画界は〝壊滅的〟 世界を席巻する韓流のイメージなのになぜ?

1: 昆虫図鑑 ★ 2023/07/13(木) 08:09:52.00 ID:3v3KdKfY
「韓国映画界の危機」。第27回プチョン国際ファンタスティック映画祭(BIFAN)を取材中に、こんな焦りの声を何度も耳にした。国際的な賞に輝き動画配信サービスでもヒット連発、監督も俳優も世界的スターとして大活躍。そんなイメージは一面だけで、内情は「壊滅的」と言うのだ。果ては「日本がうらやましい」とまで――。いったい何が起きているのか。

スクリーンはシネコン3系列の寡占状態
BIFANの期間中に行われたフォーラム「『パンデミック』時代の映画産業 問題と解決方法」の中で、韓国脚本家協会の金炳寅(キム・ビョンイン)会長は「韓国の映画業界を支えてきた作り手、劇場、投資家のトライアングルから投資家が離脱した」と現状を説明。コロナ禍で映画館から遠のいた観客が戻らず興行不振が続き、出資者が一斉に撤退して製作資金が枯渇、映画製作が止まっているという。背景には、韓国独特の産業構造があるようだ。

まず韓国映画界を概観してみよう。日本の製作委員会方式と異なり、韓国の映画製作は、シビアに利潤を求める投資会社からの資金が元になる。投資会社は財閥系のCJENMとロッテ、それにプラスM、ショーボックス、N.E.W.などが大手とされる。一方興行は、3300ほどのスクリーンがほぼ3系列のシネコンに分けられる。CJ系列のCGVとロッテのロッテシネマが8割、残りがプラスMのメガボックス。韓国の映画人が「映画興行プログラムは、(3社の担当者の)3人で決めている」と言うほどの寡占状態だ。

ソフト化などの2次利用市場が存在しないため資金回収は興行頼みで、劇場の力が強い。興行収入の配分は、ハリウッド作品では劇場と製作・配給側の折半だが、韓国映画は劇場が60%を持っていくという。

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2022年の総興収 コロナ禍前の65%
一方で、韓国映画の年間総興収は19年の9474億ウォンに対し、22年は6202億ウォンと65%までしか回復していない。これもチケット代を値上げしたからで、観客数の比較では54%にとどまっている。22年のチケット代の平均は1万285ウォンとなり、初めて1万ウォンを超えた。

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大作依存体質で多様性喪失
キム会長の危機感は、韓国映画人の多くに共有されている。BIFANのシン・チョル執行委員長は「韓国映画界は大作依存体質から脱却できず、多様性が失われた。ネットフリックスは韓国に巨額の製作費を投じているが、しょせん外資。有力な監督や俳優が吸い取られていく。世界中のファンが韓国の人気監督の作品や俳優を見ているのに、韓国映画では見られないという状況になりかねない」と警鐘を鳴らす。

コロナ禍前の19年、韓国の1人あたりの年間映画鑑賞回数は4.37回と世界最多だった。映画は大衆娯楽として定着し、「評判が悪くても確認するために劇場に行く」というほど習慣化していた。

しかし劇場重視の大作ばかりで観客は飽和状態となっているところにコロナ禍で、映画館から足が遠のいた。この間、映画の代替として動画配信サービスが普及し、チケット代の値上がりもあって観客は映画を〝選ぶ〟ようになった。「確実に面白いと分かる〝安全パイ〟の映画しか見に行かなくなっている」とキム会長。

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「犯罪都市」続編が独り勝ち
その言葉通り、23年の韓国映画のヒット作は、6月時点でマ・ドンソク主演の「THE ROUND UP(『犯罪都市』)」シリーズ第3作だけ。5月末に公開されて動員1000万人を超える大ヒットとなったが、それに続くのは、500万人動員の「すずめの戸締まり」「THE FISRT SLAM DUNK」と日本のアニメだ。韓国映画は22年12月公開の「HERO」が9位にいるだけ。

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キム会長は、映画をコーヒーやワインに例えた。「誰でも楽しめる一方で奥が深く、好きな人が見つけた逸品をほかの人に勧めて広がっていく。映画もさまざまな味わいを持つべきだ」。そして大手の大作から独立系の小規模作品が選べる日本がうらやましいというのである。「日本の映画界は多様性が保たれている。興収第一に走って韓国の轍(てつ)を踏まないようにしてください」。日本の映画界はこの忠告を、どう聞くだろうか。

ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bc43c5233a1315c0275112674d6dfeaa08b1632?page=1


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