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「福島汚染水放出に反対する科学者の方、いらっしゃいますか?」 韓国の放送各社で出演交渉が難航
国際原子力機関(IAEA)の最終報告書発表後、汚染水放出問題を取り上げた9日のKBS第1テレビ『日曜診断ライブ』には、ペク・ウォンピル韓国原子力研究院責任研究員と反原発市民団体「原子力の安全と未来」のイ・ジョンユン代表が出演することが分かった。イ・ジョンユン代表はMBCテレビ『100分討論』でもチョン・ヨンフン韓国科学技術院(KAIST)原子力・量子工学科教授に対抗するパネリストとして登場した人物だ。各放送局では「汚染水の放出が問題になることはない」と主張する科学者たちはすぐに見けられるが、「汚染水の放出は危険だ」と主張する科学者は事実上、ほとんど見つからず、環境運動を展開する市民団体に主に出演オファーをしている。
先月6日に放送されたKBSラジオ『チュ・ジヌ・ライブ』には慶煕大学原子力工学科のチョン・ボムジン教授が出演し、司会者の話に一つ一つ反論して話題になった。同教授はこの時、「2011年の福島原発事故直後は処理施設が全くないまま数カ月間、一日300トンずつ汚染水が海に放出されたが、韓国に影響はなかった」という言葉で司会者に反論した。KBSの関係者は「この時、想定外のことを経験して以降、制作スタッフ陣は科学者のパネリスト出演オファーに慎重を期していると聞いた」と言った。
先日、動画共有サイト「ユーチューブ」の共に民主党に近いチャンネルなどにソウル大学物理天文学部チェ・ムヨン名誉教授が出演し、「福島について私たちはすべてを知ることができない。だから危険だ」という主張を展開し始め、ソウル大学医学部ペク・ドミョン名誉教授が「民主社会のための弁護士会(民弁)」のイベントに姿を現すなど、野党の「ニューフェース」として出てきたが、まだ放送局の番組には本格的に登場していない。だが、これらの教授たちもやはり「原子力」分野専攻者ではない。
「放送局としては、あえて科学者を出演させる必要性を感じていない」という指摘もある。匿名希望の地上波放送局時事・教養番組チープ・プロデューサーは「福島汚染水関連のテーマの場合、科学の問題としてアプローチすれば、危険性を主張する人々の方がむしろ不利になるということを制作スタッフたちも本能的に知っている」「だからニュースでも、与野党の主張が対立する『論争』問題としてテーマを取り扱っている」と語った。
シン・ドンフン記者
朝鮮日報日本語版
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/07/07/2023070780037.html