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出席者らは狂牛病、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)、哨戒艦「天安」など、デマが科学的な証拠を無きものとした過去の事例に言及した上で、福島汚染水事態についても「単なる消耗的な問題になった」とも指摘した。懇談会には米シカゴ大学物理学科のキム・ヨンギ客員教授、シンガポール南洋工科大学のチョ・ナムジュン客員教授、マックスプランク研究所(ドイツ)のユ・ジョンファ責任研究員、トロワ工科大学(フランス)のキム・ジュンボム教授、元カナダ原子力安全委員会担当官のユ・ジョンイル氏らが出席した。
■「科学的事実を信じなければ皆が損害」
科学的な資料に基づくファクトが信じられず、これによって生じる最も大きな問題は巨額の社会的費用を浪費してしまうことにある。ユ・ジョンファ氏は「科学的かつ合理的な根拠もなしに反対する人たちは、後に真実が明らかになってもその間違った主張をしたことへの責任は取らない。しかしその間に支払われた社会的費用や国民の不安については誰が責任を取るのか」「科学的な信頼性を論じる公論化のプロセスが全く欠如している。それが市民の不安の高まっている原因だ」と指摘した。ユ・ジョンイル氏は「処理を経て放流された汚染水が韓国周辺海域の魚介類に影響を及ぼすと主張しているようだが、その論理なら汚染水が先に到達する太平洋の遠洋漁業は全て中断しなければならないだろう」と述べた。
出席者らは「ドイツやフランスなど欧州諸国でも研究結果に対する論争は常に行われているが、科学的な根拠そのものを疑うことはない」と説明する。キム・ジュンボム教授は「現在パリで起こっているデモからも分かるように、フランスも国民が過激に自分たちの主張を訴える国だが、科学者が提示した研究結果を否定するとか、その内容そのものを疑うようなことはない」「科学的なファクトに基づいて『この側面から確認しよう』『この種のデータがもっと必要だ』といった主張はもちろん飛び交う」と語る。チョ・ナムジュン客員教授は「科学は数字とファクトの戦いであり、それに基づいて議論が行われねばならない。しかし今(韓国における状況)はそうなっていない」「国際機関による科学的なデータに対して正面から反論の声が上がっていることには当惑している」と指摘した。ユ・ジョンファ氏は「研究者の間から違った意見が出ていることは認めるべきだが、韓国ではその違った意見が分裂の解消ではなく陣営論理の後押しに利用されることが多い」と疑問を呈した。
朝鮮日報
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