あわせて読みたい
【考古学】仏洞窟にネアンデルタール人の「彫刻」 5万7000年以上前
仏中部トゥール近郊のロッシュコタール洞窟で発見された指の跡による彫刻(2023年6月26日撮影)。(c)GUILLAUME SOUVANT / AFP
仏中部トゥール近郊のロッシュコタール洞窟の彫刻について説明する考古学者ジャンクロード・マルケ氏(2023年6月26日撮影)。(c)GUILLAUME SOUVANT / AFP
【6月28日 AFP】フランス・ロワール渓谷(Loire Valley)の洞窟で、ネアンデルタール人による5万7000年以上前の「彫刻」が発見された。フランスで見つかっている最古の洞窟彫刻となりそうだ。
米科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」に先週掲載された報告によると、見つかったのは洞窟の柔らかい壁面などに指や道具で跡をつける「フィンガーフルーティング」と呼ばれるもので、現生人類ホモサピエンスが欧州西部へ進出する以前、つまりネアンデルタール人によるものだという。
研究チームは、デザインは抽象的だが「明らかに意図的」に刻まれたもので、「ネアンデルタール人の行動に関するわれわれの知識に新たな、そして非常に重要な貢献」となる発見だと述べている。
彫刻が残されていた仏中部トゥール(Tours)近郊のロッシュコタール(Roche-Cotard)洞窟は、1846年に発見された。しかし、所有者が数千年にわたって入り口をふさいでいた泥を1912年に撤去するまでは、ほとんど立ち入ることができなかった。
大規模な発掘調査が開始されたのは2008年。彫刻は年代測定技術によって「5万7000年以上前、地層的に考えるとおそらく7万5000年前ごろのもの」と推定されている。
2023年6月28日 20:55 AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3470204
■論文
The earliest unambiguous Neanderthal engravings on cave walls: La Roche-Cotard, Loire Valley, France
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0286568