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日韓通貨スワップ再開、バイデン米大統領は「自身の外交成果」 島田洋一氏「岸田政権は『言いなり』に見える」
「私たちは、同盟国を再び1つにまとめようと懸命に働いた」「第二次世界大戦から長い年月を経て、日本と韓国は和解を果たした」
バイデン氏は19日、カリフォルニア州ロスガトスで開催された行事で、政権の「外交的成果」の1つとして、こう紹介した。
岸田文雄首相と、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3月の首脳会談で関係正常化した背景に、バイデン政権の働きかけがあったのか。
29日の日韓財務対話には、鈴木俊一財務相と、韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政相が参加する。スワップ協定の再開は主要議題の1つとなるという。
日韓スワップ協定は、1997年のアジア通貨危機に韓国も巻き込まれた教訓から結ばれた。2015年に、「反日」姿勢を強めた朴槿恵(パク・クネ)政権側から「協定延長は不要」との声が出て、打ち切られた。経済危機に陥る可能性のある韓国にメリットがあるが、日本にはない。
また、日本政府は27日、韓国を輸出手続き上優遇する「グループA」に再指定するための政令改正を閣議決定した。来月21日に施行する。今回の再指定については、いわゆる「元徴用工」問題をめぐる韓国側の解決策を受けた動きと報じる向きもあるが、これはおかしい。
安倍晋三政権時代の日本政府が19年、韓国を「グループA」から除外したのは、大量破壊兵器に転用可能な戦略物資について、韓国側の輸出管理に疑わしい事案が続出したためだ。
安倍氏に近い西村康稔経産相は27日の記者会見で、「今後も政策対話を継続し、第三国への不適切な輸出などの問題が生じた場合は適切な対応を求めたい」と語った。
ただ、バイデン政権は単純に歓迎しているようだ。
エマニュエル大使は27日、「輸出手続き簡略化の優遇措置対象国に韓国を復帰させることを日本政府が決定しました。岸田首相が示してくださったのは、この地域がまさに必要とするリーダーシップです」「米国の同盟国である日韓は、政治的駆け引きよりも目的を重視し、共有する繁栄のために共通の価値観を推進しているのです」とツイートした。
同氏は、LGBT法をめぐっても、発信が目立った。
福井県立大学の島田洋一名誉教授は「岸田政権は『米国の言いなり』のように見える。バイデン氏は誇れる外交的成果が少ないとされ、『岸田政権を導いた』という宣伝をしたい思惑もあるだろう。日本でのLGBT法成立については、米民主党内で評価する声もあると聞く。岸田政権が現状の外交姿勢を続ければ、中国やロシアなどにも『岸田政権は強く背中を押せば動かせる』とのイメージを与えかねない。悪い波及効果が懸念される」と語った。
夕刊フジ 2023.6/28 11:47
https://www.zakzak.co.jp/article/20230628-PGTOFKCMMRMRTECHIOXAJ4TMQQ/