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スシロー“ペロペロ少年”の自宅での反省の日々に迫る!損害賠償額はなんと6700万円!
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「すみません、何もお話しできないので……。本当に申し訳ございません」
玄関を開けて表に出てきた母親は、何度もそう繰り返し、深々と頭を下げた。
未成年の長男Aくんは現在、約6700万円の損害賠償を求められた民事訴訟の被告となっている。
◆ ◆ ◆
一家が暮らすのは自然豊かな岐阜県の地方都市。発端は今年1月3日のことだ。
地元の公立高校に通うAくんは、友人と回転寿司チェーン「スシロー岐阜正木店」を訪れた。食事後、Aくんに友人がスマホを向けると――。醤油ボトルの注ぎ口を舐める、未使用の湯呑みの縁を舐めて戻す、レーンを回るイカの握りに舐めた人差し指で唾液を擦り付ける……最後に親指を立てて決めポーズ。
約50秒の動画はその後、撮影した友人から別の友人に共有され、拡散していく。そして1月下旬、ネットで爆発的に炎上した。
スシロー側が事態を把握したのは1月29日。Aくんの両親が謝罪を申し入れ、翌30日に名古屋駅近くの貸し会議室で両者の面談が行われた。ひたすら謝罪する本人と両親に対して、スシロー側はこう通告する。
「刑事、民事で必要な対応を取ります」
親会社「FOOD&LIFE COMPANIES」(以下FLC)の株の時価総額が一時的に160億円以上も下落したスシロー側からすれば、謝罪で済む問題ではなかった。その後――。
突き付けられた莫大な損害額…両親が負うべき責任は
「今年3月、スシロー側は大阪地裁に民事提訴。約6700万円の内訳は、対応にかかった費用や、客が激減したことによる営業上の損失など。損害は9300万円程度まで膨らむ見込みだといい、請求を増額する予定もあるようです」(司法担当記者)
Aくん側は、迷惑行為は認めつつも、請求棄却を求めて争う姿勢。現在も自宅で反省の日々を送っているAくんは、騒動後に高校を自主退学したという。
「お父さんは建築関係の仕事をしていて、お母さんは専業主婦。Aくんは4人きょうだいの長男で、本当は素直で大人しい子です。最近は外でアルバイトを始めたようです」(地域の住民)
とはいえ突き付けられた賠償額は莫大だ。両親が負うべき責任はあるのか。長谷川裕雅弁護士が解説する。
「子の不始末に対して、民事裁判で親の監督責任が問われるのは12、3歳くらいまでが一般的。今回は高校生ですので、両親は被告から外したのでしょう。もし賠償が認められた際、誰の財布から出すかは問われませんので、親が肩代わりしたとしても、形式的には原告が被告の少年から賠償金を得ることになります」
裏を返せば、親は関係ないと開き直ることもできるが、前出の住民はこう語る。
「ご両親は憔悴し、強く責任を感じていました。真っ当な方たちですから、気の毒ですが、一緒に賠償していくんだと思います」
また、スシロー側は両親に通告した通り、1月31日、警察に被害届を提出した。社会部記者が語る。
「岐阜県警が偽計業務妨害容疑で捜査を始めた。ただ、少年と両親がスシロー側に謝罪していることから、逮捕はしない方針です」
社長は「これ以上、追い込むことのないようなかたちにしたい」
一方で、FLC社長の水留浩一氏は、5月15日に公開された堀江貴文氏のネット番組に登場。この騒動についても言及した。
「警察と相談しながらこれ以上、追い込むことのないようなかたちにしたい」
「彼は彼で被害者だと思っていて。ちょっと正月に悪ふざけをしてしまったのが、今これくらい(の騒動)になってしまって」
動画の公開時点で、巨額訴訟は提起済み。水留社長の発言は矛盾しているようにも映るが、FLC広報はあらためてこう回答した。
「刑事、民事の両面で厳正に対処していく方針に変わりはありません」
出直しを図るAくんと両親に、茨の道は続く。