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【韓国政府】「米日とは違い、韓米は中国を名指ししなかった」と釈明
■外交部第1次官「一般論的な文言だけを盛り込んだ」…議論の鎮静化へ
今月21日(現地時間)に公開された「韓米首脳共同声明」で史上初めて台湾問題に言及したことに対し、中国の反発を懸念する声が上がっている中、韓国政府は積極的に釈明を試み、議論の早めの鎮静化に乗り出した。
米日首脳の共同声明とは違い「中国を露骨に名指ししなかった」点を強調している。
韓国外交部のチェ・ジョンゴン第1次官は23日午後の韓国放送(KBS)と、24日午前の交通放送(TBS)に相次いで出演し、「米日共同声明では中国を名指ししているが、(韓米の共同声明では)台湾海峡の平和と安定が重要だという一般論的な文言のみ含まれている。中国の立場からすると、大韓民国が中国を名指ししなかった点を高く評価するだろう」と述べた。
チェ次官は「韓国の輸出入の90%以上が南シナ海、台湾海峡を通過する。そのため、同地域の安定と平和が韓国の国益とも直結する。これは一般論的で規範的な言及だ」と述べた。
この説明どおり、21日の韓米共同宣言と先月16日の米日共同宣言を比較してみると、中国との距離において“かなりの温度差”がみられる。韓国は文書全体で「中国」という国名に一度も触れず、中国への配慮に努めた。
しかし、同時に事実上中国を指す表現である「ルールに基づいた国際秩序を損ない、不安定にし、脅かすあらゆる行為に反対」や「南シナ海およびその他の地域の平和と安定の維持」、「台湾海峡における平和と安定の重要性の強調」などの文言に同意し、韓国が米国の対中戦略に歩調を合わせていることも明らかにした。
特に、韓国が韓米共同文書で台湾に言及したのは今回が初めてである上、この行為自体が中国が絶対に譲れない核心的利益と見なす「一つの中国」の原則に触れるという意味を含んでおり、中国の反発は避けられないものとみられる。
台湾外交部は声明が公開された後、ツイッターで米国のジョー・バイデン大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領に感謝の意を伝えた。
バランスの維持に頭を悩ませた韓国と違い、米日は中国に関する段落を別に設け、中国を5回も直接言及するなど、牽制の態度をあらわにした。
両国は「ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有した」、「中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明する」という表現で中国を圧迫した。
台湾問題と同時に、中国が外部の干渉を断固拒否すると表明した核心利益である香港と新疆ウイグルの人権問題まで取り上げ、「深刻な懸念を共有する」と明らかにした。 同声明が公開された後、駐米・駐日中国大使館は17日、それぞれ立場を発表し、「強い不満を表明し、断固反対する。中国は必ず国家の主権、安全、発展の権利を断固として守る」と反発した。
その後、日本では共同声明で台湾問題に言及した以上、米日が今後発生し得る台湾の有事に備え、共同作戦計画を検討すべきではないかという声も上がり、議論が始まっている。菅義偉首相は声明が公開された直後の先月20日、衆院本会議で台湾有事事態について「日米同盟の抑止力、対処力を絶えず強化していく」と述べた。
ハンギョレ新聞 2021-05-25 07:25
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/40081.html