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【Money1】 韓国「また徳政令なのか」な機運。多重債務者142万人「157兆」
2023年06月21日に『韓国銀行』が公表した「金融安定報告書」によると、
2019年末と比較して2022年末には所得脆弱層への融資が増加していると指摘。
20~30歳代への融資額が「51.6%」も増加したのです。
・史上最低金利を利用した「魂まで投資」
問題は多重債務者※が増加していることです。『共に民主党』議員が入手したデータによると、
30歳代以下の多重債務者の数は141万9,000人。
この人たちが抱える融資残高は157兆4,000億ウォンと集計されています。
※多重債務者とは「3つ以上の金融機関から融資を受けた人」という意味です。
多重債務者の場合、借金を返済するために借金をするという負のスパイラルに陥りがちです。
Money1でもご紹介したことがありますが、所得の低い人ほど多重債務者になりやすく、
実際所得脆弱者への融資残高は「93兆9,000億ウォン」と計算されており、約59.7%を占めます。
簡単にいえば、韓国では若い世代ほど借金まみれという状況なのです。
こうなった理由は、前文在寅政権時に起こった「魂まで資産投資だー!」が原因です。コロナ禍で経済が低迷する中、韓国史上最低まで金利が低下。
流動性を高めるための施策ですので、韓国の金融当局は正しいことをしました。
しかし、そのお金が資産購入に向かったのが問題でした。ここが、博打好きの国民が多い韓国らしいところです。
今の低金利のうちに不動産を購入しておけば、将来絶対上がるから「金持ちになる絶好の機会だ」と捉えたのです。
若い世代はお金がありませんので、資産の投資するための元手がありません。
低金利をいいことにお金を借りて主に不動産、株式・暗号資産などを買ったわけです。
ところが、資産価値が下落し、金利が上昇する局面となって、借金の返済が滞り、そのため新たな借金をする――という構図です。
・また「謝金棒引き」なのか
若い世代がいかに困っているのかについては「個人破産者が増加している」というデータがあります。
『ソウル回生裁判所』(企業の破綻・個人破産ばかりを専門に扱う地方裁判所)のデータによると、
20歳代の「個人破産(回生)申請者全体」に占める割合は、
2020年:10.7%
2021年:14.1%
2022年:15.2%
と推移しています。
問題は「どうするよ?」です。
所得脆弱層の破綻が相次ぐと、金融機関が抱える不良債権が増加し、金融システム全体の健全性をも毀損する可能性があります。
デフォルト騒動の連鎖だけは避けねばなりません。
で、またぞろ「徳政令」なのか?です。
韓国メディア『NEWSIS』が本件を扱う記事を出しており、記事内の小見出しが「政府は債務を軽減しなければならない」です。
韓国ではまたぞろ「徳政令なのか」の機運が高まってきました。
(吉田ハンチング@dcp)
2023.06.24
https://money1.jp/archives/108009