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「丸刈り」激減 「時短」進み、スマホ自由度も増 高校野球実態調査
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad8fc24d175058202f5aed3675870c6bd37cadc5
「丸刈りをルールにしている高校は全体の4分の1に減り、練習は『時短』が進む」
「スマートフォンの使用や食べ物にも制約を設けない学校が増えている」
日本高校野球連盟と朝日新聞社が硬式野球部がある全国の加盟3818校を対象に4、5月に実施した高校野球実態調査(加盟校アンケート、回答率99・2%)の結果からそんな傾向が浮かび上がった。
調査は1993年から5年に1度、実施し、各校の監督や責任教師が答えている。19日に23年調査の結果が発表された。
「部員の頭髪の取り決め」について、2013年の前々回調査で79・4%、18年の前回調査で76・8%を占めた丸刈りとの回答が、今回は26・4%に減った。
「(前髪を少し長くするなどした)スポーツ刈りも可」が前回8・9%から14・0%に、「特に取り決めず、長髪も可」は前回14・2%から59・3%に増えた。
高校野球で慣例とされてきた丸刈りを強制しない傾向が浮かび上がった。
また長時間練習は減る傾向にある。休日の練習時間は18年の前回調査と比較して「5時間未満」が27・2%から52・5%に増え、「5時間以上」は72・6%から47・3%に減った。「7時間以上」に限ると、前回の27・4%から14・2%に減った。
平日も3時間未満が前回50・4%から68・1%に増え、3時間以上は前回49・5%から31・8%に減った。
練習日数も週5日が5・2%から18・6%に増加。週6日は79・4%から72・9%の微減にとどまったが、12・6%だった毎日は2・7%に減った。
携帯電話やスマホの使用に関する制約は緩む方向に向かっている。「校則、部で使用を禁止」としているのは14・0%(前回21・0%)だった一方、「部員の自由」との回答は前回の26・4%から35・9%にまで増えた。
ツイッターやユーチューブなどの利用も「部員の自由」との回答が10・2ポイント増え42・8%を占めた。「校則、部で禁止」が6・3ポイント減の6・8%、「部として一定のルールを決めている」が4・6ポイント減の14・4%だった。
こうしたSNSやユーチューブなどのインターネットツールの活用方法も尋ねた(複数選択可)。
「予定の共有などの連絡手段」が54・6%で最も多く、「技術、練習方法の研究」が32・7%、「部員の自由」が28・6%、「意見交換の場」が11・2%で続いた。
現場での指導だけでなく、SNSや動画サイトから得た情報も上達のために活用するケースが増えているようだ。
「食」に関するストイックさにも変化が見てとれる。
チームで禁止の食べ物を聞いたところ、「炭酸飲料」は08年の35・2%から減り続け、今回は10・2%、「カップラーメン」も08年12・9%から5・8%にほぼ半減した。
08年に6割弱だった「禁止の食べ物がない」との回答は86・5%に達した。
日本部活動学会の神谷拓会長(関西大教授=スポーツ教育学)は、「頭髪はそもそも管理すべきではなく、まだ取り決めている学校が4割も残ることに驚く」としつつ、「調査から指導者の努力は見える。世の中の状況や高校生の変化に合わせて、指導や部の運営の仕方を変えようとする姿勢が感じられる」と評価した。
《調査方法》 4~5月に実施。回答を日本高野連に返送してもらった。設問は計107問で、監督、責任教師が答えた。3788校が応じ、回答率は99・2%だった。(佐藤祐生、室田賢)