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日本ハムの新球場エスコン観客動員が驚異的な回復 このままでは宿泊施設足りない!
3月末の開幕カード(対楽天)こそ連日3万人超えの超満員だったものの、4月中旬にはチーム低迷もあり激減。一時は新球場元年にもかかわらず2万人を大きく割り込む日々が続いた。
ところが5月に入ると観客数が急上昇。今月10日の阪神戦では開幕戦(3万1092人)を超える今季最多観客数(3万2558人)を記録するほどの盛況ぶりだった。
この観客動員数の急回復。チームの好調や交流戦が大きかったはずだが、先日球団関係者に聞くと「7月から8月にかけての本拠地戦も週末を中心にチケットの売れ行きはいい」と話していた。
「世界がまだ見ぬボールパーク」を掲げる新球場は多様な飲食店、物販に加え、温浴施設や子供向け遊具施設なども充実。こうした点がファンや地域住民からの支持を集めているのだろう。
ただ、この人気定着の陰で気がかりな事案も浮上している。遠方からのファンを受け入れる宿泊施設が夏場を前に不足気味だからだ。
新球場は札幌中心部から快速電車で16分ほどの北広島市に位置する。同市は札幌市と北海道の玄関口・新千歳空港の間にある自然豊かな地域のため、宿泊施設は以前から乏しい。球場最寄り駅の北広島駅には現時点でビジネスホテルは皆無。必然的に球場に来場する遠方ファンは札幌市中心部か千歳市内に宿泊せざるを得ない。だが、両市のホテルがこのところ大規模イベントの再開と外国人旅行者の急増もあって空室が激減。運よく宿泊先を探し当てても週末を中心に1泊料金が1人2万円を超えるケースが日常化しつつある。コロナ禍からの正常化に加え、北海道はこれから本格的な旅行シーズンを迎える。今後ホテル不足はさらに悪化することが予想されるため、新球場への来場者にも影響を及ぼしかねない。
先日、札幌市内のホテル支配人に今後の宿泊状況を聞いたところ、複雑な表情でこう語っていた。
「札幌を中心に大規模イベントが続くため、7月以降の週末は当ホテルだけでなく大半のホテルが完売状態だと思います。そんな状況下に加え、7月末からは札幌市各所でインターハイも行われる予定ですから。今夏の札幌、千歳周辺ホテルはコロナ禍前より客室不足に陥るかもしれません。われわれとしても心苦しい限りです」
試合終了後の混雑問題は球団と交通機関の協力により大幅に改善された新球場。遠方ファン向けの宿泊施設不足は今後解消できるのか。ボールパークとしての評価が日に日に高まる中、その行方に注目が集まっている。