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「アレを出しておけば負けないんよ…」阪神・岡田監督“ジャンケン不敗伝説”
引用元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1686620998/
2位DeNAに4.5ゲーム差。15年ぶりに監督に復帰して5月に球団最多の月間19勝をあげ、首位を走る阪神・岡田彰布監督には、番記者の間でささやかれている伝説がある。
「岡田さんはジャンケンに負けない」
担当記者をつとめたことがある現役記者は振り返る。
「キャンプの時とか、担当記者が一同に集まるような場でよくジャンケン大会をやりましたね。年に何回かあるんですが、記者だけではなくて、球団職員の人なども加わって盛り上がるんです。阪神の場合、新聞社や通信社は各社複数の担当を置くので記者だけで50人ぐらいいて、そこに必ず岡田さんも参加していました。
勝つか、あいこの人が残り、負けた人が座る。残る人が少なくなってくると立っている人が目立つじゃないですか。その勝ち残りに、岡田さんは必ずと言っていいほどいましたよ。そして勝ち残った人同士のジャンケンにも勝つ。そして得意満面なあの笑顔で『勝つ理論があるんや』って」
同じく、阪神やオリックスとまたがって岡田監督の番記者をつとめた別のベテラン記者に、岡田監督が語った『勝つ理論』を解説していただこう。
「パーを出しておけば負けないって言うんです。なぜなら『最初に『チー(チョキ)出す奴、おらんでしょ』って。あとは『ジャンケンに勝とうとすると無意識に力が入るからグーを出す』。消去法でパーになるんです(笑)。
すごい理論を期待していた人は拍子抜けするかもしれないけど、奇をてらうようなことを好まないところは、野球と一緒ですよ』
岡田監督の勝負勘の鋭さが采配に出た試合のひとつが、4月2日のDeNA戦だろう。2点リードの八回2死一塁の場面。相手投手は左投手のエスコバー。ランナーが出ると投球が安定しなくなるエスコバーは一塁走者になった’21年盗塁王の中野拓夢の足を警戒した。中野に対して初球ストライクをとった後、2度の牽制球を挟み、3度目の牽制球の直前、動きを見抜いた中野は二塁への盗塁に成功。その直後に岡田監督は右打者の代打・原口文仁を送り、初球をレフトスタンドに運ぶ2ランホームラン。勝利を決定づけた。カウント途中で代打を送る奇襲が見事にハマった。
「スポーツグラフィックNumber」(文芸春秋)のインタビューに応じた岡田監督はこう明かしている。
「前の日もエスコバーにいい感じのサードのファウルフライやったんや。悪い打ち方やなかったし、紙一重のタイミングやった。それで躊躇なく原口でいったんよ」
前日、ファウルフライに倒れた打者をもう一度、同じ投手にぶつける。一見、ばくちのように映るが、岡田監督の鋭い観察眼と根拠、あとは「イケる」という勝負度胸が会心の一撃を呼び込んだ、とも言えるだろう。前出のベテラン記者はこう明かす。
「岡田さんは実父が阪神の関係者と懇意だった影響で、プロになるのなら阪神でプレーしたいと思っていた人。ドラフトで6球団に指名されて、抽選の末、一番行きたかった阪神に入団した。そこからプロの人生が始まって今に至るわけだから、あの人は“持っている”んですよ」
昨季と比べて、戦力がさほど大きく変わらなくても首位を走るのは、“持っている”指揮官のタクトが今のところ、冴えているからだろう。阪神は、10日に日本ハムに敗れて今季初の3連敗を喫したが、11日に1-0で新庄剛志監督率いる日本ハムを下し、連敗を阻止した。持っている男の真骨頂を熱狂的なファンは待ち望んでいるに違いない。