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【今もでしょ】韓国も海に恥ずかしいものを捨てていた時期があった
少し前に韓国を訪れたオックスフォード大学名誉教授のウェード・アリソン氏は「処理を経た汚染水であれば1リットル、いや10リットルでも飲める」と語った。生涯にわたり放射線を研究してきた80代の老学者だ。福島の放流水は健康にとって脅威ではないという、心のこもった忠告だったのだろう。彼の著書『Nuclear is for Life: A Cultural Revolution』(2015)は、放射能への恐怖が過剰だったことを立証する研究の紹介でぎっしり埋まっている。
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韓国も、まずい汚染物質を海へ持っていって捨てていた時代があった。1988年から群山、浦項、釜山の沖合に大量の汚物を投棄してきた。畜産のふん尿、下水のスラッジ(汚泥)、食品加工の残りかすなど、高濃度の有機物だ。陸地では処理施設が足りず、海に捨てるのであれば費用があまりかからない。2015年まで27年間、年平均600万トンを公海に捨ててきた。広い大海の拡散力、自然浄化力を信じた。
汚染処理水を海へ流したいという日本の肩を持とうというのではない。腹は立つし、日本は恥じるべきだ。しかし日本も、やむを得ずそうしようとしている。隣国や世界に大きな借りを作る行為だ。ただ、それによる汚染は韓国人が心配するほど生態や健康に負担をかけるものではない、という科学研究がある。相手が、他に方法がなくてろくでもない手を打つとき、それを取り上げて悪口を言うこともできるし、相手の事情を勘案して助ける気持ちで理解してやることもできる。国際原子力機関(IAEA)の「安全」判定が出たら、長い目で見てどちらが韓国にとって得になるか考えて、判断する必要がある。
韓三熙(ハン・サムヒ)先任論説委員
朝鮮日報 2023/06/11 06:01
https://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2023060880172#