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【ハンギョレ】 世界6位の戦力、だが作戦権は米国に…韓国軍が病む本当の理由
「条件付き戦作権返還」期限なしで 頭脳を奪われた状況、中枢神経まひ
ー前略ー
・「戦作権を維持してほしい」という懇願
いまだに韓国軍の戦時作戦統制権(以下「戦作権」)は米軍の4つ星将軍(韓米連合司令官)にあるという事実には、恥以前に不思議な感じがする。
連合司令官は直属の上司である米国のインド太平洋軍司令官の指揮を受け、朝鮮半島において戦争の突入段階から終結までの「責任」を負うことになる。
7人の韓国軍の4つ星将軍のうち6人は連合司令官の作戦統制下に入り、残りの1人(合同参謀議長)は
「戦争指導」に参加はするだろうが、主に戦況報告を受ける仕事を担うだろう。
要するに、朝鮮半島での戦争において韓国軍は権限も責任もないということだ。
戦作権を取り戻す努力がなかったわけではない。
1960年代末、朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は「自主国防」の旗印を掲げて兵器の国産化を強く推進した。
それから20年あまり後、盧泰愚(ノ・テウ)政権は戦作権返還を大統領選挙の公約として掲げ、
停戦時(平時)作戦統制権の1992年までの返還と戦作権の1994年までの返還に米国と「合意」までしている。
しかしこの合意は、1994年末に作戦情報危機管理に関する権限を連合司令官に
「直ちに」再委任することで、うわべだけの「停戦時作戦権返還」に終わった。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は2012年4月17日と日付けまで指定し、戦作権の返還に米国と合意したが、
李明博(イ・ミョンバク)政権が米国に「懇願」したため1度延期された。
朴槿恵(パク・クネ)政権は返還期限をなくしたうえで「条件にもとづいた戦作権の転換」へと変更。
文在寅政権はこれをそのまま引き継いだため、事実上米軍の「合格判定」なしには不可能な条件クリアのために仕方なく努力しているうちに終わってしまった。
本来は自分のものなのに取り戻すのはこんなにも難しいのか。
戦作権返還反対の論拠は、表面上は北朝鮮の脅威だが、内面的には反米フレームに対する「恐怖」だ。
韓国の政治家の多くは、進歩であれ保守であれ、戦作権返還主張と反米を簡単に結び付ける。軍の指揮部も同じだ。
そして反米すなわち親北朝鮮という「等式」によって理念の恐怖がついてくる。
尹錫悦政権の外交と安保は、この時代錯誤的な理念という機関車で「価値」と「力による平和」という事実上空っぽの客車を引っ張っていっている格好だ。
戦作権を持たない韓国軍の兵器は、米軍の「作戦資産」となる。
米軍の「戦略資産」の展開は、自分たちの立場からすればいずれにせよ実施しなければならない訓練を朝鮮半島の周りで行うこと以上の実質的な意味はなく、
朝鮮半島における軍事的緊張を維持・高揚させることで、米国の戦略的利益の増大にさらに寄与する。
韓米核協議グループ(NCG)において韓国の役割が大きくなるとしても、作戦統制権構造の中では特に意味はない。
韓米日3国軍事同盟化も、実際には日米「戦争同盟」の強化と米軍主導の戦争指揮体系の拡大と考える方が正しい。
もちろん、どのような兵器であれ国防には役立つだろう。
しかし現在の指揮体系の下でいくら3軸体系を強化したり、毎年数兆ウォンにのぼる米国製の兵器を購入したり、
果ては核兵器を保有したりしたとしても、それらは韓国が自由に使えるものではない。
このように長きにわたって頭脳をアウトソーシングして(させられて)きたあきれた状況にあって、韓国軍に中枢神経が「病まない」才はあるだろうか。
自らの軍を自ら指揮して戦って勝ちたいと思うのは、抽象的な自主権以前に、軍指揮官の普遍的な本能ではないのか。
・尹錫悦政権で「陸軍偏重」が加速
ー後略ー
ムン・ジャンニョル|元国防大学教授
登録:2023-06-05 02:47 ハンギョレ
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/46925.html