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アスレチックス・藤浪晋太郎が“デッドボール・アーティスト”として全米から注目を集めている
藤浪が登板した時のスコアは「3対6」、ビハインドゲームの9回、アストロズの最後の攻撃イニングである。負け試合のイニング消化のために登板させられる投手をメジャーリーグでは「モップアップマン」と言い、日本のプロ野球では「敗戦処理」と呼ぶ。
「四球連発とならなかったのは、プラス材料です。3人目のバッター、ホセ・アルトゥーベは2017年ア・リーグMVPにも選ばれた強打者です。そのアルトゥーベから三振を奪いましたが、2ストライクを取った後の3球目と4球目は、投げた瞬間に『ボール』と分かる投げ損ないでした。球審が『ボール』とジャッジした直後、ヘンに球場もざわつき出して…」(現地メディア関係者)
その「ざわつき」がヤバイのだ。少し前に対戦チーム側を応援する地元ラジオ局の実況アナウンサーが“ユーモア”で、藤浪のことを「デッドボール・アーティスト」と言い、ファンの間でも定着しつつある。ボール球が続くと、ストライクを取り行こうと焦るあまり次の投球あたりで……そんな展開を期待してしまうのだろう。SNSなど、米国ファンの書き込みもヒドイだが、こんな評価も聞かれた。
「怖いもの見たさというか、藤浪が出てくるとおかしな盛り上がり方を見せるんです。対戦チームのファンは『頼むからぶつけないでくれ』という言い方をしつつも、ボールカウントがコールされるたびに球場が一つになっていきます」(前出・同)
追い詰められると反則技で対応する――まるで、プロレスにおけるヒール役レスラーである。
「こんなピッチャー、見たことない!」
こんな試合もあった。5月11日(同)、敵地・ヤンキースタジアムで行われたヤンキース戦で、藤浪は3番手として5回途中から登板したが、この時点でのスコアは「2対11」。完全な“敗戦処理”役だったが、5番・ラメーヒュー(34)に投じた初球が頭部スレスレのところを通過し、バックネットを直撃した。味方捕手も捕れないほどの大暴投だった。
「ヤンキースタジアムのファンがざわつき、大ブーイングでした。ワンサイドゲームで淡々としていたのが、一瞬で緊迫した雰囲気に変わりました」
ラメーヒューは前打席でホームランを放っていた。ヤンキースファンはその報復かと思ったのだろう。当然、ラメーヒューは藤浪を睨みつけ、今にもマウンドに駆け寄らんとしていたが、藤浪は足元の土を均し、ずっと下を向いたまま。ラメーヒューが我慢してくれたから乱闘にはならなかったが、地元中継局YESの解説者、フラハティ氏は、
「三振より四球が多いピッチャーなんだよ! (ラメーヒューは)よく避けられたよ」
と、怒りを込めた実況をしていた。
SNS上でもヤンキースファンが「どこにボールが行くか分からない。こんなピッチャー、見たことがない」「チャップマンのパロディー版だ」などと揶揄していた。
<略>
全米に名を轟かす「ノーコン」
「藤浪の知名度は全米に及んでいるといっても過言ではありません。『ノーコン』でここまで有名になったピッチャーはいませんよ。米国のMLB報道は基本的に各メディアが地元のチームを追いかけるスタイルで、時々、全国区の有名・人気選手を取り上げますが、藤浪は全国区で扱われています」(前出・同)
全文はソースで
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/05311100/?all=1