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小学校の学習用タブレット… ただの「連絡帳」と化してしまう
名古屋市東区の市立矢田小学校。
この日、体育の授業で、児童たちがリレーのバトンパスを練習していた。
その傍らで、児童が使っていたのは、タブレット端末だ。
女子児童:
「動画を見て思ったんだけどさ、他のところは上からやってるね」
別の女子児童:
「そうだね、(バトンの手渡しを)上からやってるね」
女子児童:
「(タブレットの動画を見ながら)ここの時に、渡してからがちょっと(スピード)ダウンしちゃってるから、そのまま。ばーっと走った方が…。今度ちょっと順番変えてやろっか、次、撮る人?」
(中略)
6年生の算数の授業では、子供たちは、全員タブレット端末を広げていた。
(中略)
「こういう授業をやると、できる子はそのまま続けていくし、できない子にもサポートに入りやすくなるっていう、自由進度的な学習を取り入れながら…。しかもこれは、ICTがあるからこそ上手くいっている
(中略)
子供たちの親世代が見ると、信じられないような光景が広がっていたが、この「タブレット教育」に大きな格差があることが、いま問題となっている。
(中略)
千種区にあるITプログラミング教室「クリエイターハウス」。
最大で1年待ちというこの塾。通っている子供には、ある共通点があった。
Q.学校でプログラミングの授業は?
男子児童:
「学校ではない。1か月に1回くらい」
男子生徒(中学1年生):
「小学校ではタブレットをあんま使っちゃダメだよって言われていて、それでこういう場所に通うようになりました」
学校でタブレットを使った授業がほとんどないため、プログラミングの塾に通っていた。
藤井さん:
「(GIGAスクール)構想自体は素晴らしい構想、考えだなというのは思っていますけれども、構想だけで実態が伴ってないなっていうのは、日々子供たちと接している中で感じているところです。スクラッチ(学習ソフト)禁止にされたとか、使っちゃダメだって担任に言われたとか言って、禁止令が発令されたりとか。クラス単位でもすごい差があったりとか、先生単位で差があったりとかっていうのを見聞きしています」
同じ名古屋市立の学校でも、タブレット教育に大きな格差があり、ほとんど活用できていない学校もあるという。
■タブレットがただの連絡帳と化す学校も
(中略)
鉄棒をしていた体育の授業でも…。
タブレットを活用することはなく、紙のプリントを見ながら練習していた。
実際、タブレットを何に使っているのか。子供たちに聞いてみた。
女子児童:
「(家での)勉強は特にタブレットを使ったりはしないです」
Q.何に使っていますか
女子児童:
「連絡帳とか見るときとか」
別の女子児童:
「充電するだけに今は持ち帰っている状況で…。ぶっちゃけ持って帰ってメリットがあるかと言われると、私的にはあんまりないなって思います」
子供たちにとってはタブレットがただの連絡帳と化していた。
(中略)
この小学校が特段遅れているわけではなく、名古屋市立の多くの小学校がこの現状だという。
なぜ、同じ名古屋市立なのに、格差が生じてしまうのか。
土屋校長:
「先生達の中には、やはりちょっとパソコン苦手だとか、こういうの使った授業ってやりづらいって感じてる先生もいることは事実。予算の中では先生達も精一杯、どうやって使うと効果的かっていうことを考えながらやっていますけど、まだまだ十分足りてないかなという風に思います
(中略)
「学校によってはそういったこと(ICT教育)に予算を非常にあてて、機械だとか人にそのお金を使って充実させている学校もあれば、一般の公立小学校だと、普通に予算がおりてきた中でやりくりしなきゃいけないものですから、そういった予算面での差かなという風には思うんですけど」
(中略)
“学校ごとの格差”だけでなく、先生1人1人の能力の違いによって格差があることを認識。先生に向けた研修会を行うなど対策を進めているが、格差をなくす根本的な解決策は見いだせずにいた。
(全文はこちら)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b4636473f557203327cccba89946c79e153503a4