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【韓国企業】 高麗伝統技術、歴史の中に埋もれた刀…取り戻す。キッチン用、日本の刀剣製作技術をベンチマーキング
[トゥデイコリア=ソ・ヨンハ記者] 私たちが普通、伝統的な話をするとき「魂がこもっている」という言葉を使うことがある。色つやの良い陶磁器から味わい深く書かれた書芸、そしておいしく漬けたキムチまで…
我々の祖先の持っていた技術が昔のままだとすれば、歴史にはなっても伝統には成り得ないのかもしれない。オンドル、陶磁器、食品などのように、私たち固有の文化と現代技術が出会い、私たちの生活の中で呼吸して初めて伝統と呼べるのではないだろうか?
・民族の魂、刀をご存じですか。
今は伝統から忘れられて、歴史となってしまった私たちの技術の中に、刀がある。韓半島に立ち、私たちの生活の中で息づいた、それが私たちの魂が込められた刀だ。その刀を埋もれた歴史の中から伝統に取りだそうとする人がいる。「高麗伝統技術」のクォン・ホヨン所長だ。
金属工学を専攻したクォン所長は、「刀こそ伝統製錬技術の産室であり、現代の私たちの生活と密接につながった魂が込められた技術だ」と話す。全世界的に刀を上手く作るという日本も、事実は三国時代の古代に我々が日本に伝来した技術だと見ることができる。特に、朝鮮の文官時代を経て、日帝強占期の時にあらかた供出されてしまい、やっとのことで命脈を維持した朝鮮の刀は一つも残っておらず、次第に忘れ去られていった。
(※文中に出てくる韓国語「カル」は、全て「刀」と訳しますが、他にキッチン関連ネタでは「包丁」、「ナイフ」との意味も。)
クォン所長は、「刀といえば、映画で見る武器ぐらいしか思い浮かばないだろうが、簡単にキッチンで見られるのが刀だ」とし、「現在、我が国で使われている刀はほとんどが外国産で、我々の技術はそれくらい遅れている」と吐露した。ムン・ジュンギ代表とともに高麗伝統技術を設立した趣旨も、刀を作る冶金技術、まさに伝統技術を取り戻し、我々の伝統文化を国内と世界に知らせ、国益に役立ちたいという情熱から始まった」と話した。
「高麗刀剣(現・高麗伝統技術)のムン・ジュンギ代表自身が作った刀を持ってきて、日本に劣らない良い刀を作ってくれるように手伝って欲しいと言われ感動しました。」
金属工学を専攻したクォン所長は、「自分の専門知識がよい刀を作って、伝統も見出すことができると思い、一緒に始めることになった」とし、「ちょうど未来部でも今後、話として重要に考え、伝統文化融合研究事業団が私たちの固有の伝統技術を現代先端技術と融合しようという趣旨で、支援も受けることができた」と話した。
・伝統技術と先端技術の融合というと分かり難く感じるが…
クォン・ホヨン所長は、伝統技術と先端技術の融合という言葉が難しく感じられるという記者の質問にキムチを例に挙げた。「キムチは私たちの伝統技術の一つだ。キムチを漬ける技術も伝統だが、キムチを長く保管しながら食べられる甕は、その時代の優れた技術だ。この技術が先端技術と融合し、ディムチェという冷蔵庫を作り出したのだ」と話した。
すなわち、伝統技術と先端技術が融合し、ディムチェという保管入れを作り、キムチが世界的に人気を集めることができたという意味だ。クォン所長は、「刀もキムチと変わらない」とし、「刀は三国時代から我々が持っている素晴らしい伝統技術だった」と強調する。
・聖徳(ソンドク)大王神鐘の「鐘楼」も伝統的な刀冶金技術…
・叩いて重ねて叩く多層構造…
クォン所長は、「伝統的な鉄製錬技術の一つである叩いて重ねて、また叩き重ねる技術は、我が国の伝統技術の核心だ」と話す。「百済地域の武寧王陵で『環頭大刀』という刀が出てきたが、多層構造というものを見て驚いた経験があった」と振り返った。 現在、聖徳大王神鐘を吊るしている鐘楼も同様の技術だ。聖徳大王神鐘発見当時、鐘楼がなく浦項(ポハン)製鉄で10cmほどの厚さで鐘楼を作ったが、折れてしまった。現在、吊るされているのは、発掘の過程で出た我々の祖先が作った鐘楼だ。
ドゥディコリア(韓国語)
http://www.todaykorea.co.kr/news/articleView.html?idxno=287704
=写真=クォン・ホヨン高麗伝統技術研究所長