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世界中の嫌われ者になった中国、南米沖での違法操業に悲鳴 アルゼンチン人「憤怒がこみ上げています」
「もう耐えられない。たとえようもない憤怒がこみ上げています」
こう怒りを露わにするのは、国連海洋法に詳しいアルゼンチン人の大学教授。
中国は過去何年も、太平洋の反対側の南米沖まで大漁船団を送って違法操業を行っており、一向に止む気配がないことに対する憤りは強い。
中国漁船団の船舶数が10隻前後であれば問題視されてこなかったかもしれない。
だが、多い時は300隻を超える船団が操業を続け、南米諸国の漁業関係者が「水産資源が枯渇してしまう」と心配するほどの乱獲を繰り返しているのだ。
そのため、最近になって再び中国に非難の目が向けられている。
まず問題になっているのは、国際法違反の行為そのものである。
国連海洋法条約では、沿岸国は自国の200海里(約370キロ)の範囲内に排他的経済水域(EEZ)を設定することができる。だが中国漁船団は国際法を無視して南米諸国のEEZ内で操業を行っているのだ。
実はアルゼンチンでは過去、中国漁船団の違法行為に業を煮やし、強硬手段に出たこともあった。
2016年3月、アルゼンチンの沿岸警備隊が違法操業をしていた中国漁船に発砲して撃沈させたことがある。
そうした過去の経験があっても、中国は全くと述べていいほど意に介さず、大型漁船団を送り込んでいる。
国際法の違反と同時に、現実的問題として深刻なのが乱獲である。
国際海洋保護団体「オセアナ」は一例として、中国漁船団がエクアドル領のガラパゴス諸島沖で、トロール漁によって主にイカの乱獲を行っていると報告している。
それによってイカを主食とするオットセイやシュモクザメなどの海洋生物の個体数が減少しているのだ。
中国漁船団はアルゼンチン、エクアドル両国だけでなく、チリ、ペルー、コロンビアなどの近海でも同様の操業を繰り返しており、地元との軋轢は消えていない。
中国政府は2020年、自国の漁業者にガラパゴス諸島周辺での禁漁を命じたが、その後も漁船団は操業を続けている事実があり、エクアドルの警備艇からの追跡を逃れるためにレーダーを切って振り切ったとの話も伝わる。
ここまでして中国が大規模漁船団を「地球の裏側」にまで送り込んでくるのはなぜなのか。
ストックホルム大学レジリエンス・センターの調査によると、中国は国内の魚介類の需要が伸びており、近海での漁獲量では満たせなくなっているからだという。
同時に、中国近海では多年にわたって乱獲が続けられたことで、魚類の総体数が減り、需要に見合うだけの水揚げ量がないのだ。
同センターは今後、中国が世界での乱獲を続けることで、現在の漁獲量の上に毎年600万トンから1800万トンの水揚げ量を加算していくと推測する。
(略)
ヤフーニュース(JBpress)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4bd4a2f417ccc956f703775eba7ac9f824c65c5d