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【韓医学】 毒薬になる唐辛子、食べ過ぎると中毒に。唐辛子の壬辰倭乱時伝来説は、根拠に乏しい
私たちの食べ物でコチュ(唐辛子)、コチュカル(唐辛子の粉)、コチュジャン(唐辛子の醤)が入ったものを除けば、韓国だけの食べ物「ソール(soul)フード」と言えるものの中の半分以上がなくなるほどで、コチュ(唐辛子)は私たちの食文化に大きな特徴を作り出した主役だ。(※以下、コチュは「唐辛子」)
唐辛子は壬辰倭乱の時に日本人によって伝来したと言われているが、これは一学者の主張に過ぎず、根拠に乏しい。最近、韓国食品研究院は壬辰倭乱より数百年前から唐辛子が存在したという文献を発見した。 韓医学では唐辛子をチョ(椒)というが、壬辰倭乱勃発の100年以上前の文献である「救急簡易方」(成宗18年、1487年)には、漢字の椒にハングルで「コチョ」と記しているものがある。壬辰倭乱の勃発750年前に発刊された「食医心鑑」(唐宣宗4年、850年)と世宗15年(1433年)に発刊された「郷薬集成方」、世祖6年(1460年)に発刊された「食料纂要」にもコチュジャン(椒醤)と表現した記録がある。
いずれにせよ、唐辛子の主要な効能はカプサイシンからきているが、もともと植物にとっては自己防衛のための毒性物質に近いものであるが、人にとってはその部分を生かして大きな利益を得ることができる物質でもある。つまり、毒が薬になる部分だと言える。まず抗菌・殺菌作用によって食べ物の腐敗も遅延させるが、人の体では抗がん作用をすることがある。特に、肺がんではがんの転移を遮断する効果もあることが確認された。
また、血液循環とダイエットにも効果があることが明らかになっている。作用機転はカプサイシンが体に入ると、その辛味に対応するため血流の動きが速くなって、新陳代謝を円滑にするアドレナリンホルモンがより多く分泌され、全体的に老廃物の排出も早くなり、熱量消耗が大きくなるわけだ。また、カプサイシン自体は分解がよくないため、満腹感を与える効果もある。
コチュジャンは唐辛子の効能をそのまま生かしていながらも、発酵食品であるために各種酵素が豊富に含まれている。これらの酵素が消化作用を助けるため、カプサイシンを分解して満腹感を減らす。またデンプン・タンパク質などの分解も促進するため、肉類や炭水化物食品と相性が抜群になる。
TIP1.カプサイシンは基本的に毒である=カプサイシンは基本的に非常良い物質というよりも、私たちの体を刺激して防御機能をより上手く遂行するようにさせる物質だ。したがって、一定以上摂取すれば、私たちの体に毒として作用することもある。胃炎や胃潰瘍などの消化器疾患はもちろん、特定の人にはアレルギー誘発物質になることもあるために、ストレスを解消するからといって、摂りすぎない方が良い。
TIP2.中毒の可能性がある=「何でも食べ過ぎるのは危険」ということと一脈相通ずる部分であるが、私たちの体の防御機能は一定水準以上になると、これ以上働くのではなく、エンドルフィンのような気分を良くする物質(脳内麻薬)を分泌して痛みを忘れさせる。 このため、辛い食べ物を食べるとストレスが減少するが、他の面でエンドルフィン分泌中毒になり、もっと頻繁にたくさん辛い食べ物を求める辛味中毒になる恐れがある。
<韓医師、イム・ソンヨン韓医院代表院長>
レディー京郷(韓国語)
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=103&oid=145&aid=0000015408