あわせて読みたい
【朝鮮日報】 今度は「半導体やくざ」になろうとする米国
フォードの自動車工場では月に400台を超えるB24爆撃機を製造し、カリフォルニアの造船所では輸送船を4日に1隻ずつ建造した。スターリンは米国を「機械の国」と呼んだ。
大戦勝利後、米国は生産力最強の地位を利用し、金融最強国に浮上した。その過程は実に暴力的だった。ブレトンウッズに44カ国代表を呼び集めた後、英ポンドを押しのけてドルを世界の基軸通貨にした。
米財務省の一介の次官補が大経済学者である英国代表ケインズの提案を全て無視し、「金1オンス=35ドル」という交換比率を定めた。ケインズは「米国が大英帝国の目を奪おうとしている」と震えて失神した。
1971年、米国は慢性的な貿易赤字とベトナム戦争の費用捻出のため、これ以上ドルを金に変えることができなかった。ドルの基軸通貨としての地位が揺らいだ危機も「暴力的」に解決した。
中東の原油取引にドルだけを使うよう強制し、ドルの覇権を守った。その後、米国はドルを好きなように印刷して全世界の物資を消費し、
中国、日本のような黒字国が米国債を買い入れ、米国の国家デフォルトを防ぐという「とんでもない特権」(ジスカールデスタン元仏大統領)の構図が固まった。
寛大なイメージの米国だが、覇権が揺らぐと名分と合理性をかなぐり捨てて刀を振り回す。
1980年代に日本の挑戦が激しさを増すと、強制的に円高を進める「プラザ合意」(1985年)、日本の半導体産業をつぶす「日米半導体協定」(86年)で日本を崩壊させた。
日本製半導体の米国市場でのシェアを半分に減らすよう強制する「日米半導体協定」は半導体生産基地を日本から韓国、台湾にシフトさせた。
90年代に韓国車の対米輸出が急増すると、米国は「スーパー301条」を使い、米国車に不利な韓国の自動車税制を見直させた。
一時世界の国内総生産(GDP)の40%を占めていた米国は、中国の浮上でその割合が半分程度に落ちた。すると、米国は中国を排除した半導体サプライチェーンと重要鉱物パートナーシップなどを推進している。
無制限に刷るドルで莫大な補助金を投じることも辞さない。ところが、その補助金を受けるためには、米国に企業秘密まで出せという。それに中国に半導体を輸出すれば、ただではおかないという。
今回は「半導体やくざ」と化した米国の姿だ。
金洪秀(キム・ホンス)論説委員
朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2023/03/19 06:26
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2023/03/17/2023031780130.html