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「もう後がない」危機感隠さぬ立憲 「大きな塊」主張も 玉木代表「政策一致出来ないまま合流しても結局ばらける 有権者はよく見ている」
対照的だったのが、泉健太代表と岡田克也幹事長のあいさつのトーンだ。泉氏が「衆参合わせて150名に届かない勢力だ。しかし私は改めて皆さんと心を一つにしたい。皆さん、政権交代を目指していきましょう!」と
呼びかける一方で、岡田氏は21年の衆院選、22年の参院選と国政選挙で連敗を喫したことを挙げ、「もう後がない。このままでは 政権交代可能な政治は実現できない」と危機感をあらわにした。
岡田氏は、政権交代のためには野党による「大きなかたまり」が必要だ、というのが持論だ。これを改めて主張したが、国民民主の玉木雄一郎代表は、テレビ番組の中で、安全保障とエネルギー政策が一致しなければ「厳しいが独自で戦う」としており、平行線が続きそうだ。
「働く人々を代表する政党は、皆さん、一つで十分じゃありませんか!」
岡田氏はあいさつの終盤、「あと、どうしても一言言っておきたいのは…」と切り出し、「野党間協力、とりわけ国民民主党」について言及した。次のように述べると、会場から「そうだ!」の声があがった。
「政権交代可能な政治の実現という大局に立って、『大きなかたまり』を目指す。幹事長としても全力を挙げて努力していきたいと思います。働く人々を代表する政党は、皆さん、一つで十分じゃありませんか!」
泉氏も党大会終了後の記者会見で、統一地方選に向けて県連単位では両党の協力が進んでいる部分もあるとして、
「岡田幹事長が言ったような『労働者のために働く政党が一つであってほしい』との思いを持っている。粘り強く、そういった環境が生まれるように、お互いに何が必要なのかを見つけ出していければ」と述べた。
ただ、玉木氏は「大きなかたまり」論には否定的な立場を続けている。2月19日朝放送の「NIKKEI 日曜サロン」(BSテレ東)の中で、「そういう考え方は否定しないし、私もそういうことをかつては主張していた」とする一方で、安全保障とエネルギー分野では政策の一致が不可欠だと主張。それができないまま合流しても
「結局ばらけるし、それを有権者はよく見ているので『結局選挙目的だよね』と言われると、結局集まる意義も薄れる」として、改めて
「一致できればいいが、一致できなければ、厳しいが独自で戦う」と主張した。
玉木路線は「本当に日本の将来にとっていいのか」
岡田氏は、玉木氏の立場に批判的だ。2月20日午後放送のニコニコ生放送の番組で、立憲と国民民主について「もともと同じ党だったので、大きな違いはない。本来であればひとつのかたまりを目指してしっかりと協力することで政権交代可能な政治というものが実現できる道だと思う」と「かたまり」の重要性に改めて言及。その上で
「国民民主党の中で、現状でいいのかどうか、玉木さんの今の路線が本当に日本の将来にとっていいのかどうかというのは、党の中のことなので我々は言えないが、中でしっかりと議論してもらいたいと思っている」と述べた。
22年秋の臨時国会では世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題などで共闘関係にあった日本維新の会とも、今国会では衆院憲法審査会の開催などをめぐり立場の違いが改めて表面化。先行きは不透明だ。共産党との距離も縮まっておらず、「大きなかたまり」は見通せない状態だ。